性病の予防
著者:院長 福地裕三(日本性感染症学会ガイドライン準拠)
※ 診察料や処方料などの諸費用は一切かかりません。
性病(性感染症)の予防は、1つの方法だけで十分とは限りません。コンドームやデンタルダム、定期検査、ワクチン、そして必要に応じた予防内服を組み合わせることで、予防の強さを高めやすくなります。
当院では、行為内容、頻度、既往歴、パートナー状況などを確認し、必要な予防だけを過不足なくご案内しております。予防法が多くて分かりにくいと感じる方も、まずは全体像からご確認ください。
性病予防の優先順位
- コンドーム・デンタルダムをできる範囲で徹底する
- 定期的に検査を受ける
- HPVワクチン・B型肝炎ワクチンなどを検討する
- 必要に応じてPrEP・PEP・Doxy PEPを組み合わせる
まずは、ご自身に近いものからご覧ください
今後のリスクを継続的に下げたい方
性行為の機会が比較的多い方や、HIV予防を継続して考えたい方は、デイリーPrEPやオンデマンドPrEPが選択肢になります。
リスクのある行為のあとで予防を考えたい方
行為後72時間以内であれば、HIV PEPやDoxy PEPが検討対象になることがあります。時間が重要になるため、早めのご相談が大切です。
将来の予防を強くしておきたい方
HPVワクチンやB型肝炎ワクチンは、あらかじめ受けておくことで予防の土台を強くしやすい方法です。必要に応じてA型肝炎ワクチンもご案内しております。
症状はないが不安がある方
性感染症は無症状のことも少なくありません。予防だけでなく、適切な時期の検査を組み合わせることが重要です。
性病予防の基本
コンドーム・デンタルダム
性病予防の基本は、コンドームやデンタルダムを適切に使用することです。膣性交やアナルセックスだけでなく、オーラルセックスでも咽頭感染が起こりうるため、必要に応じて口への対策も大切です。
ただし、コンドームで覆えない皮膚接触により感染する病気もあるため、これだけで100%防げるわけではありません。
定期検査
性病予防では、「感染しない工夫」だけでなく、「感染していないか確認すること」も重要です。無症状でも感染していることがあるため、リスクのある行為がある方は定期的な検査をご検討ください。
ワクチン
ワクチンは、将来的な感染リスクを下げるための重要な選択肢です。とくにHPVワクチンとB型肝炎ワクチンは、性行為関連の予防として検討しやすい予防法です。
また、性行為関連でご相談を受けることのあるA型肝炎についても、必要に応じてワクチンをご案内しております。
予防内服(PrEP・PEP・Doxy PEP)
リスクが高い方では、HIVや細菌性性感染症に対する予防内服が選択肢になることがあります。どなたにも一律で必要なわけではなく、行為内容や頻度、既往歴、副作用リスクなどを踏まえて判断します。
当院でご案内している予防メニュー
Doxy PEP(梅毒・クラミジア・淋病の予防補助)
リスクのある行為のあと、72時間以内に内服することで、梅毒・クラミジア・淋病などの細菌性性感染症リスクを下げるための選択肢です。
1回分 2,000円(税込)
5回分 5,000円(税込)
※ Doxy PEPは抗菌薬を用いる予防法です。適応や回数は、リスクや既往に応じて医師が確認のうえご案内いたします。
HIV オンデマンドPrEP(必要時に内服)
リスクのある行為の前後に内服することで、HIV予防を行う方法です。毎日の内服までは必要ないものの、必要時に備えたい方に向いています。
1回分 2,000円(税込)
HIV デイリーPrEP(毎日内服)
毎日継続して内服することで、HIV予防を行う方法です。継続的なリスクがある方や、予定外の性行為にも備えたい方に向いています。
30日分 7,000円(税込)
HIV PEP(リスク行為後72時間以内)
HIVへの曝露リスクがある行為のあと、72時間以内に開始する予防内服です。時間が重要になるため、できるだけ早い受診が大切です。
後発品 70,000円(税込)
先発品 200,000円(税込)
淋病(淋菌)ワクチン
淋菌に対する予防補助策として検討されることがあるワクチンです。1か月の間に2回接種します。
1回分 25,000円(税込)
HPVワクチン
HPVワクチンは、HPVの特定の型による感染予防を目的としたワクチンです。通常は半年ほどかけて3回接種します。
1回分(9価) 33,000円(税込)
1回分(4価) 22,000円(税込)
※ 4価ワクチンは、2026年に製造終了予定のため、新規の受付は終了しております。
B型肝炎ワクチン
B型肝炎ワクチンは、B型肝炎ウイルスによる感染予防を目的としたワクチンです。通常は半年ほどかけて3回接種します。
1回分 9,000円(税込)
A型肝炎ワクチン
A型肝炎ワクチンは、A型肝炎ウイルスによる感染予防を目的としたワクチンです。性行為関連でご相談を受けることもあり、必要に応じてご案内しております。
1回分 15,000円(税込)
予防と検査はセットで考えることが大切です
性病予防では、予防法を知ることと同じくらい、検査時期を誤らないことが大切です。感染直後は検査で見つかりにくい時期があるため、早すぎる検査では十分に確認できない場合があります。
また、Doxy PEPやPEP、PrEPを検討している方でも、他の感染症まで一律に防げるわけではありません。予防と検査を組み合わせて考えることで、より実用的な対策になります。
あわせて読みたいページ
このような方はご相談ください
- 性病予防を何から始めればよいか分からない方
- コンドームだけで十分か不安な方
- オーラルセックスやキスによる感染が心配な方
- HIV予防としてPrEPやPEPを検討している方
- 梅毒・クラミジア・淋病の予防としてDoxy PEPが向くか相談したい方
- HPVワクチンやB型肝炎ワクチンを受けるべきか知りたい方
- 予防とあわせて、適切な検査時期も確認したい方
性病予防のよくあるご質問
Q.コンドームで100%防げますか?
A.正しく使用すればリスクは大きく下がりますが、100%防げるわけではありません。コンドームで覆えない皮膚接触でうつる感染症もあるため、検査やワクチンとの併用が大切です。
Q.オーラルセックスだけなら安全ですか?
A.いいえ。オーラルセックスでも、のど(咽頭)に淋菌、クラミジア、梅毒などが感染することがあります。必要に応じて咽頭検査もご検討ください。
Q.キスで性病はうつりますか?
A.キスだけで必ずうつるわけではありませんが、口の中や口唇に病変がある場合はリスクが高まることがあります。また、キスの延長でオーラルセックスがある場合は、咽頭感染にも注意が必要です。
Q.症状がないので検査は不要ですか?
A.いいえ。性感染症は無症状のことも珍しくありません。症状の有無にかかわらず、リスクのある行為があった場合は検査をご検討ください。
Q.シャワーやうがいで予防できますか?
A.シャワーやうがいだけで十分に予防することはできません。行為前の予防と、必要時の検査を組み合わせて考えることが大切です。
Q.性病予防の優先順位を教えてください。
A.基本は、①コンドーム・デンタルダム、②定期検査、③ワクチン、④必要に応じたPrEP・PEP・Doxy PEPです。1つに頼るのではなく、組み合わせていくことが重要です。
Q.HIVのPrEPやPEPは誰でも使えますか?
A.適応があれば検討できますが、医師の診察が必要です。なお、PrEPやPEPはHIV予防を目的とした方法であり、他の性感染症をすべて防ぐものではありません。
Q.Doxy PEPは誰に向いていますか?
A.Doxy PEPは、細菌性性感染症のリスクが比較的高い方で検討されることがある予防法です。すべての方に一律でおすすめするものではなく、感染歴、行為頻度、体質などを踏まえて判断します。
Q.Doxy PEPはいつ飲めばよいですか?
A.目安として、できるだけ早く、可能であれば24時間以内、遅くとも72時間以内が重要です。自己判断で連日使用するのではなく、医師の説明に沿ってご使用ください。
Q.予防接種は何を受ければよいですか?
A.まずはHPVワクチンとB型肝炎ワクチンを検討することが多いです。既往歴やリスクにより、A型肝炎ワクチンなども含めて個別にご案内します。
Q.どのタイミングで検査すればよいですか?
A.感染直後は検査で見つかりにくい時期があるため、早すぎる検査では十分に確認できないことがあります。検査時期は感染症や検査法によって異なるため、不安がある方はご相談ください。
Q.未成年でも受診できますか?
A.はい、受診できます。プライバシーに配慮しながら、費用や結果のご案内方法も含めて個別にご説明いたします。
参考文献(一般向け)
- CDC: Getting Tested for HIV(検査法ごとのウィンドウ期)
- CDC: Clinical Guidelines on the Use of Doxycycline Postexposure Prophylaxis(Doxy PEP)
- NHS Inform: STI testing at home(クラミジア、淋菌の検査タイミング目安)
- BASHH Guideline: Syphilis(梅毒の検査やフォロー)
注意事項
未承認医薬品等:本診療科目に用いる一部の薬剤は、国内未承認の医薬品です。万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
入手経路等:当クリニックが本治療に用いる海外製の医薬品やワクチン等は厚生局の正式なプロセスを経て、クリニック所属の医師の判断の下、個人輸入をしたものになります。
国内の承認医薬品等の有無:国内でも同一の成分を含む医薬品は厚生労働省により承認されていますが、当院では主に価格や入手の安定性を考慮して、患者様にご説明の上で海外製品を処方する場合がございます。
諸外国における安全性等に係る情報:諸外国で重篤な安全性情報の報告はありません。
(最新の知見に基づく最終更新日:2026年4月9日)

