サル痘・ エムポックス(Monkeypox)
著者:院長 福地裕三
サル痘とは
サル痘とはサル痘ウイルスの感染により発症する感染症です。
またサル痘は天然痘に似た特徴を持つとウイルスです。
感染経路は接触感染や飛沫感染と言われております。
感染者のほとんどが男性で性的接触での感染例も多く見られます。
そういった意味では性感染症の側面も持ち合わせている感染症です。
1970年に初めて報告されて以降、アフリカの一部の地域で発生してました。
最近になりイギリスやスペイン・ポルトガルなど世界的に流行し始めました。
2022年7月には日本でも初めての感染者が報告されました。
感染経路は
・サル痘に感染した人からの体液や皮膚病変との接触による感染
・サル痘に感染した人からの飛沫を浴びることによる感染
・サル痘ウイルスに感染した動物(主にげっ歯類)との接触による感染
天然痘に比べ、感染力も弱く、重症化の頻度も低い傾向にあります。
症状とは
感染してから症状を発症する潜伏期間は1〜2週間程度です。
初期症状は発熱を伴い、発熱に続いて発疹が現れます。
全身に発疹が出ることが多いが、性器や校門のみにしか発疹が出ないこともあります。
その後は天然痘のように水疱が現れ、徐々にカサブタになって皮疹が進行します。
症状だけでは水痘や梅毒と鑑別が難しい症例も多くあります。
治療法は
現在のところ日本で承認された治療薬はありません。
基本的に対処療法(症状の緩和)となります。
海外ではTecovirimatやBrincidofovirなど天然痘に対する治療薬が承認されております。
予防法は
接触感染や飛沫感染が主な感染経路となります。
そのためマスク着用や咳エチケットなど基本的な感染対策が有効です。
また感染が疑われる人との接触や水疱などの皮膚症状との接触も避けることが大切です。
ワクチンは
天然痘のワクチンはサル痘の感染予防にも有効と言われております。
また感染4日以内にワクチンを接種することで感染予防することもできるそうです。
さらに感染4日〜14日に接種した場合でも重症化の予防効果があるようです。
サル痘の感染が拡大しても、ワクチンが十分に供給されれば予防可能な感染症と言えます。
※ 当院では今現在、検査やワクチンの診療は行っておりませんのでご了承ください。