A型肝炎ウイルスワクチン
著者:院長 福地裕三(日本性感染症学会ガイドライン準拠)
A型肝炎ワクチンをご検討中の方へ
A型肝炎ワクチンは、A型肝炎の予防を目的としたワクチンです。 汚染された飲食物だけでなく、肛門を舐める行為などの性的接触でも感染することがあるため、 渡航前だけでなく、性感染症予防の観点から接種を検討する方もいます。
まず知っておきたいポイント
・通常は2〜4週間隔で2回接種し、さらに初回接種から24週後に1回追加します。
・免疫を急ぐ場合は、2週間隔で2回接種する方法もあります。
・ただし、長期に抗体価を維持するためには、3回目の追加接種が望ましいとされています。
・患者様との濃厚接触があった場合も、曝露後2週間以内であれば予防接種を検討することがあります。
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| ワクチン名 | A型肝炎ワクチン(エイムゲン) |
| 通常スケジュール | 2〜4週間隔で2回、その後初回から24週後に1回追加 |
| 急ぐ場合 | 2週間隔で2回接種(長期維持には3回目が望ましい) |
| このような方に検討しやすいです | 衛生環境が不安な地域への渡航、MSM、慢性肝疾患、HIV感染、濃厚接触後など |
| 料金(税込) | 1回 15,000円 |
A型肝炎そのものの症状、感染経路、検査については、 A型肝炎の解説ページもあわせてご確認ください。
A型肝炎とは
A型肝炎は、A型肝炎ウイルスに感染することによって発症する感染症です。
A型肝炎ウイルスは、感染者の糞便中に排泄されます。
そのため、肛門部への接触を介して口に入ることで(糞口感染)、感染が成立します。
また、ウイルスに汚染された食べ物や水を摂取することで経口感染する場合もあります。
A型肝炎ウイルスの感染には、衛生環境の状態が大きく関与しているといわれています。
出典:国立感染症研究所
症状とは
A型肝炎は、約4週間前後の潜伏期間を経て、肝炎の症状を発症します。
主な症状として、発熱・倦怠感・食欲不振・吐き気などの消化器症状がみられます。
症状が進行すると、目の結膜や皮膚が黄色くなる黄疸、肝臓の腫大、濃い尿、白色便などがみられることもあります。
ワクチンによる予防について
A型肝炎ウイルスワクチンを接種することで、感染を予防することができます。
一般的には、10年以上にわたり免疫を保持することが可能とされています。
通常、半年かけて3回の接種を行うことで、十分な抗体を獲得できます。
接種スケジュールは、初回接種・1か月後・6か月後の計3回となります。
海外渡航など、一時的な免疫獲得で十分な場合は、初回接種から1か月後までの2回接種で対応可能です。
また、お時間が限られている場合には、最短2週間間隔での接種も可能です。
副反応としては、他の予防接種と同様に接種部位の発赤や腫れなどがみられることがあります。
接種後は、安全のため15分ほど院内で待機していただくようお願いしています。
このような方はA型肝炎ワクチンをご検討ください
- 衛生環境が不安な地域へ渡航する方
- MSM(男性間性交渉のある方)
- 肛門を舐める行為など、便が口に入る可能性のある性的接触がある方
- 慢性肝疾患のある方
- HIV感染のある方
- コミュニティ内でA型肝炎の流行が心配な方
日本では比較的若い世代で抗体を持たない方が多いとされており、リスクに応じて予防接種を考えることが大切です。
A型肝炎ワクチンの接種スケジュール
当院では、国産A型肝炎ワクチン(エイムゲン)を使用しています。
通常は、2〜4週間隔で2回接種し、さらに初回接種から24週後に1回追加します。
免疫を急ぐ場合には、2週間隔で2回接種する方法もあります。ただし、長期に抗体価を維持するためには、3回目の追加接種が望ましいとされています。
当院での接種の流れ
現在、ワクチンの在庫がございますので、事前のご予約は不要です。
接種当日は、簡単な問診票のご記入をお願いしております。
また、接種後の体調変化を確認するため、院内での待機にご協力をお願いしております。
※ 使用しているワクチンは、明治製菓製の国産ワクチンです。
当院で使用しているワクチンについて
当院では、国産A型肝炎ワクチン「エイムゲン」を使用しています。
製造販売元:KMバイオロジクス株式会社
販売元:Meiji Seika ファルマ株式会社
| 項目 | 料金 | 回数 |
|---|---|---|
| A型肝炎ワクチン | 15,000円 | 1回分 |
患者様と濃厚接触があった場合
A型肝炎患者と濃厚接触した未接種の方では、曝露後2週間以内であれば、ワクチン接種による予防が検討されます。
年齢や基礎疾患、免疫状態によっては、免疫グロブリンの併用が検討されることもあります。
当院では免疫グロブリン投与は行っていないため、必要時は対応可能な医療機関をご案内します。濃厚接触の可能性がある場合は、できるだけ早くご相談ください。
他のワクチンとの同日接種や接種間隔
原則として、不活化ワクチンは同日接種が可能な場合があります。 ただしワクチンの種類、体調、既往歴により判断が変わるため、受付または診察時にご相談ください。
よくあるご質問
Q. A型肝炎ワクチンは何回接種が必要ですか?
A. 当院で使用している国産ワクチン(エイムゲン)は、通常2〜4週間隔で2回接種し、さらに初回接種から24週後に1回追加する、計3回接種が目安です。免疫を急ぐ場合は、2週間隔で2回接種する方法もありますが、長期に抗体価を維持するためには3回目の追加接種が望ましいとされています。
Q. いつから予防効果が期待できますか?
A. 免疫獲得には複数回の接種が重要です。急ぎで免疫をつけたい場合は2週間隔で2回接種する方法がありますが、長期的な予防効果を考える場合は3回目の追加接種が望ましいとされています。渡航や濃厚接触後など、目的や時期に応じて接種計画をご相談ください。
Q. 副反応はありますか?
A. 注射部位の痛み、発赤、腫れのほか、発熱、倦怠感などがみられることがあります。多くは一時的ですが、気になる症状があればご相談ください。
Q. A型肝炎ワクチンは予約なしでも受けられますか?
A. 在庫がある場合は予約なしでも接種可能です。ただし、在庫状況が変わることがあるため、来院前にご確認いただくと安心です。
Q. 濃厚接触後でも間に合いますか?
A. 未接種の方では、曝露から2週間以内であれば予防接種による予防が検討されます。状況によっては免疫グロブリンが考慮されることもあるため、早めにご相談ください。
Q. HIVや慢性肝疾患がある人も接種した方がよいですか?
A. はい、検討されることが多いです。慢性肝疾患のある方やHIV感染のある方では、A型肝炎にかかった際に重症化しやすいことがあるため、ワクチン接種が勧められることがあります。
Q. 他のワクチンと同じ日に接種できますか?
A. 医師が必要と判断した場合は、他のワクチンと同日に接種できることがあります。通常は接種部位を分けて行い、同じ注射器で混ぜることはしません。
Q. 妊娠中でもA型肝炎ワクチンは接種できますか?
A. 妊娠中の接種は、予防接種による有益性が危険性を上回ると判断される場合に限って検討されます。渡航、濃厚接触、慢性肝疾患などでリスクが高い場合は、個別にご相談ください。
(最新の知見に基づく最終更新日:2026年3月31日)

