マイコプラズマ・ウレアプラズマ
著者:院長 福地裕三
マイコプラズマ・ウレアプラズマとは
マイコプラズマ・ウレアプラズマは、性行為によって感染する性感染症の一種です。
以前は検査方法が確立されていなかったため、「非クラミジア性非淋菌性尿道炎」として分類されていました。
これは、クラミジアや淋菌以外の病原体によって起こる尿道炎の一部として扱われていたものです。
尿道炎全体の約20%を占めるともいわれており、比較的頻度の高い性感染症です。
また、抗生物質が効きにくい耐性菌が確認されることもあります。
感染が進行すると、前立腺炎や精巣上体炎へと発展する可能性があります。
さらに、男女ともに不妊との関連が示唆されている報告もあります。
ウレアプラズマの顕微鏡写真
情報元:CDC
症状
症状が現れるまでの潜伏期間は、およそ1週間から5週間程度です。
クラミジアや淋菌感染症に似た症状を示すことがありますが、比較的軽い場合も多くみられます。
男性の場合
比較的軽度に発症し、尿道からの分泌液の排出や、尿道のかゆみや痛みを伴うことがあります。
分泌液は少量であることが多く、朝起きたときにのみ確認される場合もあります。
ただし、全く症状が現れないことも少なくありません。
女性の場合
おりものの増加や、かゆみや違和感を感じることがあります。
ただし、症状がほとんど現れない場合も少なくありません。
感染が進行して膣炎を起こすと、不妊の原因となることもあります。
のどの場合
のどに違和感や痛み、かゆみを感じることがあります。
ただし、症状がほとんど現れない場合も少なくありません。
キスなどの粘膜接触によって感染することもあります。
肛門の場合
肛門に違和感やかゆみを感じることがあります。
ただし、症状がほとんど現れない場合も少なくありません。
検査について
検査には、PCR法やTMA法といった遺伝子増幅法を用います。
男性の場合
尿を採取して検査を行います。
女性の場合
膣分泌液を綿棒で採取して検査を行います。
なお、生理中は検査の精度が低下するため、生理が終わってからの検査が推奨されます。
のどの場合
食塩水でうがいをして検査を行います。
肛門の場合
綿棒を数cmほど挿入して検査を行います。
| 項目 | 採取部 | 料金 |
|---|---|---|
| マイコプラズマ | 尿道 | 5,500円 |
| マイコプラズマ | 膣 | 5,500円 |
| マイコプラズマ | のど | 5,500円 |
| マイコプラズマ | 肛門 | 5,500円 |
| ウレアプラズマ | 尿道 | 5,500円 |
| ウレアプラズマ | 膣 | 5,500円 |
| ウレアプラズマ | のど | 5,500円 |
| ウレアプラズマ | 肛門 | 5,500円 |
治療について
マクロライド系、テトラサイクリン系、またはニューキノロン系の抗生物質を使用して治療を行います。
治療期間はおよそ1週間程度です。
近年、耐性菌の増加が問題となっています。
治療によって効果が見られない場合は、処方内容を見直す必要があります。
耐性菌が疑われる場合には、2剤併用療法や長期投与を検討することがあります。
難治例の場合でも、院長と相談しながら適切な抗生物質を選択して治療を進めることができます。
| 項目 | 料金 | 用法 |
|---|---|---|
| マイコプラズマ | 9,000円 | 1週間内服 |
| ウレアプラズマ | 9,000円 | 1週間内服 |
※ 送料無料、指定住所へ郵送
治癒の判定
治療終了から2週間後を目安に、再検査を行いましょう。
再検査で陽性が確認された場合は、耐性菌による感染の可能性があります。
その場合は、再治療が必要となります。
予防について
パートナーがいる場合は、パートナーも検査を受け、陽性であれば治療を受ける必要があります。
治療を行わない場合、いわゆるピンポン感染が起こり、再びお互いに感染させてしまう可能性があります。
感染を完全に防ぐことは難しいものの、コンドームを使用することで感染リスクを大幅に低減できます。
また、感染の可能性がある相手との性行為を避けることも、感染リスクを減らす有効な方法です。


