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マイコプラズマ・ウレアプラズマ

著者:院長 福地裕三(日本性感染症学会ガイドライン準拠)

マイコプラズマ・ウレアプラズマは、性的接触を契機に問題となることがある菌です。

症状が出る方もいれば、無症状のまま検出される方もいます。

一方で、実際には尿道炎、膣や子宮頸部の炎症、のどや直腸での感染がみられることがあり、当院では症状や感染拡大の可能性を重視して対応しています。

以前は検査法が十分に普及していなかったため、「非クラミジア性非淋菌性尿道炎」としてまとめて扱われていた背景があります。

現在では遺伝子検査が普及し、クラミジアや淋菌とは別に、マイコプラズマ・ウレアプラズマが検出されるケースも確認しやすくなっています。

マイコプラズマ・ウレアプラズマは、日本では、厚生労働省も非クラミジア性非淋菌性尿道炎・子宮頸管炎の関連菌として触れています。

当院では、他者へ感染させる可能性があること実際に症状が出る方がいることを重視し、原則として検査および治療をご提案しています。

当院の考え方

マイコプラズマ・ウレアプラズマは、無症状で検出される方もいる一方、尿道炎、膣・子宮頸部の炎症、のどや肛門での感染として問題になることがあります。

そのため当院では、症状、感染部位、パートナー状況、妊活の有無などをふまえて、原則として検査と治療をおすすめしています。

ウレアプラズマの顕微鏡写真

症状

症状が現れるまでの潜伏期間は、およそ1週間から5週間程度です。

クラミジアや淋菌感染症に似た症状を示すことがありますが、比較的軽い場合も多くみられます。

男性の症状

  • 尿道のかゆみ、軽い痛み、違和感
  • 排尿時のしみる感じ
  • 少量の分泌物(朝だけ気づくこともあります)
  • 症状が軽く、気のせいかもと思う程度のこともあります

女性の症状

  • おりものの変化、違和感、かゆみ
  • 子宮頸管炎や膣炎の原因となることがあります
  • 症状が目立たないことも多くみられます

心当たりがないのに感染

のどの症状

  • のどの違和感、軽い痛み、かゆみ
  • 無症状のことも少なくありません

オーラルセックスなどの粘膜接触がある場合、のどにも感染することがあります。

肛門の症状

  • 肛門の違和感、かゆみ
  • 無症状のことも少なくありません

放置や再感染で起こりうること

症状が軽いまま経過することもありますが、放置により炎症が続くことがあります。
とくに持続・再発する尿道炎、子宮頸管炎、PID との関連が問題になることがあります。

当院では、症状がある方やパートナー陽性の方では放置しない方針です。

また、ご自身だけ治療しても、パートナーが未対応であれば、ピンポン感染の原因になります。

不妊・妊活との関係についての考え方

マイコプラズマ・ウレアプラズマと不妊、妊活、妊娠との関係については、菌種によりエビデンスの強さに差があり、見解が分かれる部分があります。

そのため当院では、不妊や妊活への影響を一律に断定するのではなく、症状、背景、パートナーの状況などをふまえて個別に判断しております。

ただし、他者への感染可能性や再感染の問題があるため、妊活中の方やパートナーがいる方では、検査と必要時の同時対応を重視しております。

検査方法

検査は、PCR 法や TMA 法などの遺伝子増幅法で行います。

検査できる部位

マイコプラズマ・ウレアプラズマは、性行為の内容に応じて複数の部位で問題となることがあります。当院では、必要に応じて複数部位の検査をご案内しています。

部位 検体 このような方におすすめ
性器(男性) 尿 排尿時痛、尿道の違和感、分泌物がある方
性器(女性) 膣ぬぐい おりもの異常、外陰部違和感、子宮頸管炎が気になる方
のど うがい液 オーラルセックスの機会がある方、のど症状がある方
肛門 ぬぐい液 アナルセックスの機会がある方、肛門症状がある方

尿だけ陰性でも、のどや肛門のみ陽性ということがあります。性行為の内容に応じた部位選択が大切です。

料金

項目 部位 料金
マイコプラズマ 尿・膣・のど・肛門 各 5,500円(税込)
ウレアプラズマ 尿・膣・のど・肛門 各 5,500円(税込)

検査のタイミング

目安として、リスクとなる性行為の翌日以降から検査自体は可能です。

ただし、早すぎる検査では陰性でも見逃しがありえます。 より安定した確認としては、2週前後を一つの目安に考えると分かりやすいです。早めに初回検査を受けた場合は、必要に応じて再検査をご案内します。

性感染症の検査可能時期はこちら

結果が出るまで

最短翌日夜 が目安です。結果は Web やスマートフォンから確認できます。

検査結果の判明期間はこちら

こんなときはマイコプラズマ・ウレアプラズマ検査をご検討ください

マイコプラズマ・ウレアプラズマは、クラミジアや淋病よりも症状が軽かったり、まったく症状が出なかったりすることもあります。

次のような状況に当てはまる場合は、一度検査をご検討ください。

  • 軽い尿道の違和感、かゆみ、にぶい痛みが性行為のあとから続いている
  • 朝だけ少量の分泌物が見られるが、クラミジア・淋病は陰性と言われた
  • のどや肛門に違和感があり、オーラルセックスやアナルセックスの機会があった
  • パートナーの検査でマイコプラズマ・ウレアプラズマ陽性が分かり、自分も不安になっている
  • 妊活や不妊治療の中で、マイコプラズマ・ウレアプラズマの関与を指摘された

当院では、尿・膣・のど・肛門の各部位ごとの検査が可能です。どの部位を検査すればよいか分からない場合も、問診で一緒に整理していきます。

治療について

治療は、抗菌薬を用いて行います。目安は 約1週間の内服 です。

マクロライド系、テトラサイクリン系、またはニューキノロン系の抗生物質を使用して治療を行います。

ただし、マイコプラズマではとくに耐性菌が問題になりやすく、治療歴によっては薬の見直しが必要になることがあります。ウレアプラズマも、症状や背景に応じて治療方針を考えます。

耐性菌が疑われる場合には、2剤併用療法や長期投与を検討することがあります。

難治例の場合でも、院長と相談しながら適切な抗生物質を選択して治療を進めることができます。

項目 料金 目安
マイコプラズマ治療 9,000円(税込) 約1週間内服
ウレアプラズマ治療 9,000円(税込) 約1週間内服

オンライン診療(全国配送可)

送料無料、指定住所へ郵送

治る確率と、治りにくいケース

マイコプラズマ・ウレアプラズマは、適切な抗生物質を選択し、処方どおりに内服していただければ、多くの方は1回の治療で改善が期待できます。

一方で、次のような場合は「治りにくい」「再発を繰り返す」と感じられることがあります。

  • 同じ抗生物質を繰り返し使った結果、耐性菌が増えている
  • 内服を飲み忘れたり、自己判断で途中で中止してしまった
  • のどや肛門など、一部の部位しか検査しておらず、別の部位に菌が残っている
  • ご自身だけ治療して、パートナーの検査や治療をしていない(ピンポン感染)
  • ほかの性感染症を同時に持っている

当院では、前回までの治療歴や検査部位も確認しながら、薬の選択変更、2剤併用、治療期間の調整なども含めて、院長が一緒に方針を検討します。
何度か治療したのに良くならない、と感じる方も、まずは一度ご相談ください。

治癒の判定

治療終了から2週間後を目安に、再検査を行いましょう。

再検査で陽性が確認された場合は、耐性菌による感染の可能性があります

その場合は、再治療が必要となります。

ウレアプラズマの治る確率

予防について

パートナーがいる場合は、パートナーも検査を受け、陽性であれば治療を受ける必要があります。

治療を行わない場合、いわゆるピンポン感染が起こり、再びお互いに感染させてしまう可能性があります

感染を完全に防ぐことは難しいものの、コンドームを使用することで感染リスクを大幅に低減できます。

また、感染の可能性がある相手との性行為を避けることも、感染リスクを減らす有効な方法です。

当院の治療方針(無症状でも積極的治療を推奨)

当院では、日本性感染症学会のガイドラインなどの専門的な指針に基づき、

  • 検査でマイコプラズマ・ウレアプラズマが陽性であれば、症状がなくても原則として治療を行う

ことを基本方針としています。

マイコプラズマ・ウレアプラズマは、症状がほとんどないまま、

  • パートナーや接触相手への感染源になってしまう
  • 男性・女性ともに不妊や流産や早産との関連が指摘されている

といった点が問題となることがあります。

そのため当院では、困っている症状がある方の治療に加えて、将来のリスクやパートナーへの感染を減らす意味でも、積極的な治療をおすすめしています。

当院での検査〜治療の流れ

  1. 事前Web問診 〜ご来院
    事前Web問診から症状やご希望の検査をお送りいただくと、当日のご案内がスムーズです。
  2. 診察・検査部位の相談
    リスク行為の内容(性器・口・肛門の接触など)をもとに、尿・膣・のど・肛門のうち、どの部位を検査するか決めます。
  3. 検査
    尿採取、うがい液採取、膣、肛門ぬぐいなどを行います。
  4. 結果説明
    検査結果は通常1〜2日前後で判明します(検査内容により前後あり)。WEBやお電話での確認も可能です。
  5. 治療開始
    陽性の場合は、部位や既往歴に応じて抗生物質を選択し、通常1週間前後の内服を行います。
  6. 治癒確認(再検査)
    治療終了から2週間以降を目安に再検査を行い、陰性化を確認します。

オンライン診療をご希望の場合は、状態に応じて、自宅へのお薬配送にも対応しています。

よくある質問(FAQ)

Q. マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症とは何ですか?

A. マイコプラズマ・ウレアプラズマは、性的接触を契機に問題となることがある菌です。症状が出る方もいれば、無症状のまま検出される方もいます。そのため、常在や保菌との区別が話題になることもありますが、実際には尿道炎、膣や子宮頸部の炎症、のどや直腸での感染がみられることがあります。

Q. どのような症状が出ますか?

A. 男性では、排尿時痛、尿道の違和感、軽い分泌物などがみられることがあります。女性では、おりものの変化、外陰部の違和感、排尿時痛、下腹部違和感などがみられることがあります。ただし、症状がはっきりしない方や、まったく症状がない方も少なくありません。

Q. 無症状でも陽性になることはありますか?

A. はい、あります。症状がなくても検出されることがあります。そのため、症状の有無だけで判断するのではなく、感染機会、パートナー状況、妊活の有無、他の性感染症の有無などもあわせて考えることが大切です。

Q. 性行為でうつるのですか?

A. 性的接触を契機に問題となることがある菌です。性器だけでなく、オーラルセックスやアナルセックスの機会がある場合には、のどや肛門で検出されることもあります。

Q. 常在菌と言われることもあるのに、なぜ当院では原則として治療するのですか?

A. マイコプラズマやウレアプラズマについては、常在や保菌との区別、治療適応について見解が分かれる部分があります。

一方で日本では、厚生労働省も非クラミジア性非淋菌性尿道炎・子宮頸管炎の関連菌として触れています。

当院では、症状が出る方がいること、パートナーへ感染させる可能性があること、妊活や再感染予防の観点もふまえ、原則として検査や治療をご提案しています。

Q. 放置するとどうなりますか?

A. 症状が長引いたり、再発を繰り返したりすることがあります。男性では尿道炎が遷延することがあり、女性では子宮頸部や骨盤内の炎症につながることが懸念される場合もあります。症状があるのに放置しないことが大切です。

Q. 不妊や妊活に影響しますか?

A. 見解が分かれる部分はありますが、妊活中の方や不妊治療中の方では、感染の有無を気にされることが少なくありません。当院では、妊活中で陽性が判明した場合や、パートナー間で感染が疑われる場合には、必要に応じて治療や同時検査をご案内しています。

Q. 妊娠中でも問題になりますか?

A. 妊娠中は使える抗生物質に制限があるため、妊娠の可能性がある方、妊娠中の方は必ず診察時にお申し出ください。治療の要否や薬の選択は個別に慎重に判断します。

Q. どの部位を検査できますか?

A. 当院では、尿道・性器、のど、肛門の検査に対応しています。尿だけ陰性でも、のどや直腸のみ陽性ということもあるため、性行為の内容に応じて検査部位を選ぶことが大切です。

Q. リスクからどのくらいで検査できますか?

A. 感染機会から日が浅すぎると、正確に判定しにくいことがあります。検査時期は症状の有無や最後の接触時期によって変わるため、不安な場合は受診時にご相談ください。

Q. パートナーも検査や治療が必要ですか?

A. はい、必要になることがあります。ご自身だけ治療しても、パートナー側に菌が残っていれば再感染(ピンポン感染)を繰り返すことがあります。当院では、パートナーがいる方には同時検査・同時治療をご提案することがあります。

Q. 自然に治ることはありますか?

A. 自然に陰性化する例や、保菌のみで経過する例が全くないとは言えません。

一方で、症状がある方や、パートナーへ感染させる可能性がある方もいるため、当院では症状、感染部位、パートナー状況などを踏まえて、原則として検査や治療をご提案しています。

Q. 治療はどのくらいかかりますか?

A. 一般的には、約1週間の内服治療を行うことが多いです。ただし、前治療歴、耐性、症状の経過などによって薬の種類や治療期間を調整することがあります。

Q. 治療後の再検査はいつ必要ですか?

A. 通常は、治療終了から2週間ほどあけて再検査することをおすすめしています。治療直後は死んだ菌の影響で陽性が出ることがあるためです。

参考文献(一般向け)

  • CDC: Mycoplasma genitalium(STI Treatment Guidelines, 2021)
  • CDC: Urethritis and Cervicitis(Ureaplasma 等の位置づけ)
  • BASHH: Mycoplasma genitalium management guideline 2025(咽頭、検査時期、禁欲など)
  • European STI Guidelines Editorial Board position statement(M. hominis、Ureaplasma のroutine検査や治療に関する見解)

(最新の知見に基づく最終更新日:2026年4月20日)

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