性感染症(性病)について
著者:院長 福地裕三(日本性感染症学会ガイドライン準拠)
性感染症(性病)は、症状がはっきり出る場合もあれば、ほとんど症状がないまま感染していることもあります。
そのため、「症状がないから大丈夫」とは言い切れず、行為内容に合わせて、必要な部位を、適切な時期に検査することが大切です。
本ページでは、性感染症の全体像のうち、とくに「どの検査を、どの部位で、いつ受けるか」という検査の考え方を中心にご案内しています。
このページで分かること
- 性感染症にはどのようなものがあるか
- どの部位を検査すればよいか
- いつ検査を受ければよいか
- 結果が出るまでの考え方
- 匿名検査、Web結果確認、受診の流れ
まず知っておきたいこと
性感染症の検査では、「何の感染症か」だけでなく、「どの部位に感染している可能性があるか」が重要です。
たとえば、オーラルセックスがあった場合はのど、アナルセックスがあった場合は直腸の検査が必要になることがあります。尿や性器だけの検査では見つからないこともあるため、行為内容に合わせて部位を選ぶことが大切です。
また、性感染症は感染してすぐには検査で分かりにくいことがあり、早すぎる検査では陰性でも見逃し(偽陰性)が起こりえます。検査は、部位だけでなく時期も重要です。
性病検査の選び方 3ステップ
Step1.どのような行為があったか確認します
性感染症の検査は、行為内容に応じて必要な部位が変わります。
- 膣性交・性器同士の接触:尿・性器
- オーラルセックス:のど
- アナルセックス:直腸
- 血液感染が問題となるもの:血液
- 水疱・潰瘍・いぼなどの症状:病変部
Step2.症状があるか確認します
症状がある場合は、部位に合った検査を早めに検討します。
一方で、性感染症は無症状のことも多いため、症状がないことだけで否定はできません。パートナーが陽性であった場合や、不安な接触があった場合も検査を考える目安になります。
Step3.経過日数から検査時期を考えます
性感染症ごとに、検査で見つけやすくなる時期は異なります。
同じ「検査」でも、翌日以降で可能なもの、2週間前後を待ったほうがよいもの、4週間〜3か月を意識するものがあります。
詳しい時期は、下記ページで一覧化しています。
性感染症(性病)の検査可能時期はこちら
性感染症(性病)の潜伏期間一覧はこちら
当院の性感染症検査の特徴
- 匿名で検査を受けていただけます
- 検査結果はWeb上で確認できるものがあります
- 予約なしでも受付可能です
- 事前にWeb問診をしていただくとご案内がスムーズです
受診に不安がある方でも、できるだけ受けやすい形でご利用いただけるよう努めております。
主な性感染症(性病)
性感染症にはさまざまな種類がありますが、検査としてご相談が多いのは、次のようなものです。
それぞれで感染経路、症状、検査時期、検査部位が異なるため、気になる感染症だけでなく、行為内容全体から検査を考えることが大切です。
性感染症でみられる主な症状
性感染症では、次のような症状がみられることがあります。
- 排尿時の痛み、しみる感じ
- 尿道や性器からの分泌物
- おりものの変化
- 性器のかゆみ、違和感
- 陰部の水疱、潰瘍、できもの、いぼ
- のどの痛み、違和感
- 肛門の痛み、違和感、出血
- 発熱、だるさ、発疹など
ただし、性感染症は症状が出ないことも多いため、症状だけで判断することはできません。
性病検査の種類(どの部位を調べる?)
性器の検査
男性では尿、女性では膣ぬぐいなどで調べます。クラミジア、淋病、マイコプラズマ、ウレアプラズマ、トリコモナスなどで用いられます。
のどの検査
オーラルセックスがある場合は、のどにも感染することがあります。尿や性器だけでは見つからないため、必要に応じて咽頭(のど)の検査を追加します。
直腸の検査
アナルセックスがある場合は、直腸感染の可能性があります。行為内容によっては、直腸ぬぐいなどの検査を検討します。
血液の検査
HIV、梅毒、B型肝炎、C型肝炎などは、血液検査で調べます。ただし、感染症によって検査で見つけやすくなる時期が異なります。
病変部の検査
水疱、潰瘍、いぼなど、実際に症状が出ている部位がある場合は、その病変部を直接みる検査が必要になることがあります。
どのような行為なら、どの部位を検査する?
| 行為・状況 | 主に考える検査部位 | 主な感染症の例 |
|---|---|---|
| 膣性交・性器同士の接触 | 尿・膣ぬぐい | クラミジア、淋病、マイコプラズマ、ウレアプラズマ、トリコモナス など |
| オーラルセックス | のど | クラミジア、淋病、梅毒 など |
| アナルセックス | 直腸 | クラミジア、淋病、梅毒、赤痢アメーバ など |
| 血液感染が気になる場合 | 血液 | HIV、梅毒、B型肝炎、C型肝炎 |
| 水疱・潰瘍・いぼがある | 病変部 | ヘルペス、尖圭コンジローマ、梅毒 など |
性病検査はいつ受ける?
性感染症は、感染してすぐに必ず検査で分かるわけではありません。感染症ごとに、検査で見つけやすくなる時期が異なります。
たとえば、クラミジアや淋病、マイコプラズマなどは比較的早い時期から検査できることがありますが、HIVや肝炎は検査方法によって目安が異なり、より時間を意識する必要があります。
検査時期で迷ったときのポイント
- 最短ではなく、まずは推奨を見る
- のど・直腸は、接触があれば追加で考える
- HIV・B型肝炎・C型肝炎は、検査法によって時期が異なる
詳しい時期は、下記ページをご確認ください。
性感染症(性病)の検査可能時期
性感染症(性病)の潜伏期間一覧
結果が出るまでの考え方
検査結果が出るまでの日数は、感染症や検査法によって異なります。即日で分かるものもあれば、翌日以降、数日後になるものもあります。
また、治療後の再検査は、治癒確認と再感染チェックで意味が異なります。早すぎる再検査では正しく判定できないこともあるため、再検査の時期は個別に考える必要があります。
性感染症の治療について
性感染症の治療は、原因となる感染症に応じて異なります。抗菌薬で治療するものもあれば、ウイルス感染のため完治という考え方が異なるものもあります。
また、パートナーが未治療の場合は、せっかく治療しても再感染(ピンポン感染)の原因になることがあります。
検査だけでなく、必要に応じて治療やパートナー対応まで含めて考えることが大切です。
よくあるご質問
Q.症状がなくても性病検査は受けたほうがいいですか?
A.はい。性感染症は無症状のことも多いため、症状がなくても心配な接触があれば検査をご検討ください。
Q.フルセットで受けたほうがよいですか?
A.必ずしも全員にフルセットが必要とは限りません。行為内容、経過日数、症状の有無によって必要な項目や部位は変わります。迷った場合は来院時にご相談ください。
Q.症状がない場合、どの部位を受ければいいですか?
A.症状がなくても、行為内容に応じて部位を選びます。オーラルセックスがあればのど、アナルセックスがあれば直腸、血液感染が気になる場合は血液検査も検討します。
Q.尿検査だけで十分ですか?
A.いいえ。オーラルやアナルの接触がある場合は、のどや直腸の検査が必要になることがあります。尿だけでは見つからない感染もあります。
Q.検査はいつ受ければいいですか?
A.感染症ごとに、検査で見つけやすくなる時期が異なります。詳しくは検査可能時期のページをご確認ください。
Q.治療後の再検査は必ず必要ですか?
A.感染症や感染部位によって異なります。治癒確認が必要な場合もあれば、3か月前後で再感染チェックを行うことが大切な場合もあります。
Q.匿名で検査できますか?
A.はい。当院では匿名で検査を受けていただけます。
Q.結果はどのように確認できますか?
A.検査内容によっては、Web上で結果をご確認いただけます。
Q.予約は必要ですか?
A.予約なしでも受付可能です。事前にWeb問診をしていただくと、よりスムーズです。
(最新の知見に基づく最終更新日:2026年4月10日)

