梅毒
著者:院長 福地裕三(日本性感染症学会ガイドライン準拠)
梅毒は、トレポネーマ・パリダム(Treponema pallidum subspecies pallidum)によって引き起こされる感染症であり、あらゆる形態の性行為を通じて感染する性感染症です。
性行為だけでなく、キスによっても感染することがあるほど、感染力が強いとされています。
皮膚や粘膜のごく小さな傷からトレポネーマが侵入することで感染し、血行性に全身へ広がってさまざまな症状を引き起こす、慢性的な性感染症です。
母子感染によって発症したものは先天梅毒と呼ばれ、それ以外の感染を後天梅毒と呼びます。
皮膚や粘膜に発疹が現れたり、臓器に異常をきたす症状を呈するものは顕症梅毒と呼ばれ、明らかな症状が認められないものは無症候梅毒と呼ばれます。
ペニシリンが発見されるまでは有効な治療法がなく、多くの死者を出した病気でした。
江戸時代には、遊女たちが梅毒を非常に恐れていたとも言われています。
現在では、適切な治療を行えば完治が可能な病気となっています。
梅毒の総論として、まず知っておきたいこと
- 梅毒は、症状がある時期と症状がない時期をくり返しながら進行することがあります。
- 初期は、痛みの少ないしこり・ただれ、発疹、のど症状、脱毛など、見た目がさまざまです。
- 症状が自然に消えても、治ったとは言い切れません。
- 心当たりや症状がある方は、採血検査で確認することがいちばん確実です。
結論|今日できること
- 梅毒は、性器だけでなく、口やのど、肛門にも感染することがあります。
- 初期症状は痛みが少ないことがあり、自然に消えても安心できません。
- 症状がない無症候梅毒の時期もあります。
- 不安がある場合は、症状だけで判断せず、採血検査(TP・RPRなど)で確認するのが最短です。
- 当院では、検査から治療、治癒確認(再検査)まで対応しています。
梅毒トレポネーマのスピロヘータの位相差顕微鏡画像
このページで分かること
- 梅毒の主な症状(第1期〜第2期を中心に)
- 検査(TPとRPR)の違い、いつ検査すべきか
- 結果(TP±/RPR±)の読み方の早見表
- 治療の基本と、治癒判定(再検査)の考え方
- 再感染を防ぐための予防策(パートナー対応含む)
こんなときは早めに検査がおすすめ
- 性器、口、肛門まわりにしこり、ただれ、痛くない潰瘍がある
- 体や手のひらや足の裏に発疹が出た、発熱やだるさが続く
- パートナーが梅毒陽性、または不特定の相手との接触があり不安
- 症状が消えたが、心当たりがあり安心できない
- 妊娠中や妊娠希望で、念のため確認したい
当院でできる検査と結果の目安
当院では、梅毒の既往歴の有無に応じて、検査のご案内を分けています。
| 項目 | 料金(税込) | 結果の目安 | ご案内の目安 |
|---|---|---|---|
| 梅毒 即日検査(TP定性) | 5,500円 | 最短20分 | 梅毒の既往歴がない方 |
| 梅毒 精密検査(RPR定量) | 5,500円 | 約2日 | 梅毒の既往歴がある方 |
| 梅毒治療 | 18,000円 | 4週間が目安 | 医師が病期や状況に応じてご案内します |
※ 既往歴の有無や現在の状況により、医師判断でご案内内容が変わることがあります。
受診の流れ(予約不要、保険証不要、匿名可)
- 予約不要:診療時間内にそのまま来院
- 保険証不要:自由診療(受診歴が保険記録に残りません)
- 匿名で検査や診察が可能
- 任意:事前Web問診を入れると当日の案内がスムーズです
梅毒とは(うつり方や特徴)
梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌による性感染症です。性器だけでなく、口(オーラル)や肛門(アナル)の接触でも感染し得ます。
原因と感染の特徴(気づきにくさ)
梅毒は初期に痛みが弱い、症状が一度目立たなくなるなどがあり、治った?と誤解して感染が広がりやすい面があります。症状が消えても、感染が消えたとは限りません。
どうやってうつる?(感染経路)
梅毒は、性器どうしの接触だけでなく、オーラルセックスやキス、肛門性交でも感染することがあります。感染部位が見えにくいと、自分でも気づかないまま感染していることがあります。
感染は、主に性的接触で皮膚や粘膜に小さな傷ができ、病変部と接触することで起こります。性器、口、肛門の接触でも感染の可能性があります。
※ キスについては、口の中や唇に病変がある場合など、状況によって感染リスクがあり得ます。不安が強い場合は検査で確認するのが確実です。
コンドームで防げる?
コンドームは感染リスクを下げますが、梅毒はコンドームで覆われない部位から感染する可能性もあり、リスクをゼロにはできません。
潜伏期間とウィンドウ期
梅毒は、感染してすぐに検査が必ず陽性になるわけではありません。特に血液検査は感染直後は陰性のことがあり、いつ検査するかが重要です(次項参照)。
無症候梅毒について
梅毒は、症状がはっきり出る時期だけではありません。症状がないのに感染が続いている状態(無症候梅毒)があります。
そのため、「今は何もないから大丈夫」とは言い切れません。過去の心当たりや、パートナーの陽性をきっかけに検査で見つかることもあります。
梅毒の症状は、時期によって見え方が変わります
梅毒の症状は、時期や感染部位によって見え方が変わります。痛みが少ない、自然に消える、他の病気と区別しにくいことがあるため、症状だけで判断しないことが大切です。
| 時期 | よくある症状 | 出やすい部位 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 第1期 | 痛みの少ないしこり、ただれ、リンパ節の腫れ | 性器、口、のど、肛門、足の付け根 | 気づきにくく、自然に目立たなくなることがあります |
| 第2期 | 発疹、のど症状、脱毛、扁平コンジローマ | 全身、手のひら、足の裏、口、のど、肛門、外陰部 | 湿疹や風邪のように見え、見逃されることがあります |
※ 症状が自然に消えても、感染がなくなったとは限りません。
梅毒の症状(第1期〜第2期が中心)
梅毒は病期により症状が変化します。ここでは、受診のきっかけになりやすい第1期〜第2期を中心にまとめます。
第1期(感染部位のしこりやただれ)
- 性器、口唇、口腔内、肛門などに 硬いしこり(初期硬結) や ただれ(硬性下疳) が出ることがあります
- 痛みが弱いこともあり、気づきにくい場合があります
- 足の付け根(鼠径部)のリンパ節が腫れることもあります
- 男性では冠状溝、包皮、亀頭などに多く、女性では大陰唇、小陰唇、子宮頸部に発生しやすいとされています。
- これらの症状は、治療を行わなくても2〜3週間で自然に消失する場合があります。
第2期(全身の発疹や発熱など)
- 梅毒性バラ疹は、第2期梅毒で最も特徴的な症状の一つです。
- 体や手のひらや足の裏の発疹
- 発疹は痛みやかゆみなどの自覚症状を伴わないことが多く、数週間で自然に消退するのが一般的です。
- 発熱、だるさ、リンパ節の腫れ
- 丘疹性梅毒疹(きゅうしんせいばいどくしん):小豆大の赤みを帯びた丘疹という小さく盛り上がった発疹が、体幹や四肢、顔、手のひらや足の裏などに出現します。
- 扁平コンジローマ(へんぺい):肛門や外陰部に好発し、扁平状の疣贅というイボを形成します。
- 梅毒性アンギーナ:扁桃を中心に、のどの痛みや発赤、口内炎に似た症状が現れます。
- 梅毒性脱毛:頭髪が全体的に薄くなる、または部分的に虫食い状に脱毛することがあります。
ただし、症状が軽いまたは出ないケースもあり、症状だけ否定はできません。
のどや肛門(直腸)は気づきにくいことも
オーラルやアナルの接触がある場合、のどや肛門が関係することもあります。症状がないこともあるため、不安があれば医師に状況を共有してください。
症状だけでは断定できません
しこり、ただれ、発疹、のど症状、脱毛などは、梅毒以外でも起こります。
見分けは採血検査が確実です。心当たりがある方は、症状の有無にかかわらず一度ご相談ください。
後期の梅毒(第3期・第4期)について
現在では、後期の梅毒まで進行するケースは稀です。
ただし、治療せずに長期間放置すると、ゴム腫、心血管梅毒、神経梅毒などの重い合併症につながることがあります。
- ゴム腫:皮膚、骨、筋肉、臓器にしこりや潰瘍ができることがあります
- 心血管梅毒:大動脈瘤や大動脈弁の異常などにつながることがあります
- 神経梅毒:認知機能低下、しびれ、歩行障害、視力や聴力の異常などが起こることがあります
※ 神経梅毒は、いわゆる末期だけの話ではなく、病期を問わず起こり得るとされています。
検査で何が分かる?
梅毒の診断は、症状だけではなく、採血検査で確認します。
当院では、梅毒の既往歴がない方には、まず即日検査(TP定量)を最短20分でご案内しています。
一方、梅毒の既往歴がある方は、TP抗体が残りやすいため、精密検査(RPR定量)を約2日でご案内しています。
細かい結果の読み方は少し専門的になるため、この総論ページでは「既往歴の有無でご案内が変わる」と押さえていただければ十分です。
より詳しい見方は、梅毒の検査結果(TP・RPR)の見方 にまとめています。
当院の梅毒検査のご案内方針
- 梅毒の既往歴がない方は、即日検査(TP定性)を最短20分でご案内しています。
- 梅毒の既往歴がある方は、TP抗体が残りやすいため、精密検査(RPR定量)を約2日でご案内しています。
- 治療歴や症状、最後の心当たりの時期によっては、医師が追加の説明や再検査をご案内することがあります。
検査|TPとRPR、いつ受ける?
梅毒の検査は、主にTP抗体(トレポネーマ検査)とRPR(非トレポネーマ検査)を組み合わせて判断します。
TPとRPRの違い(かんたんに)
- TP:梅毒にかかったことがあるか(感染歴)の指標。治療後も長期間陽性が続くことがあります。
- RPR:梅毒の活動性(勢い)の指標。治療で下がり、治癒判定や再感染評価に使います。
検査タイミング早見表(心当たりがある場合)
血液検査は、早すぎると陰性のことがあります。目安として、心当たりが強い場合は以下を参考にしてください。
| 心当たりからの期間 | 検査の考え方(目安) |
|---|---|
| 〜2週間 | 早期は陰性のことがあります。不安が強い場合はまず受診し、再検査の計画を立てるのが安心です。 |
| 〜4週間 | まだ陰性のことがあります。症状がある場合は早めに受診を。 |
| 4週間以降 | 梅毒血液検査(TP/RPR)の目安の時期。まずは検査で確認。 |
| 6週間〜3か月 | 初回が陰性でも不安が残る場合の再検査や最終確認の目安。 |
※ 基本的に、感染の可能性があった日から4週間以上経過していれば、精度の高い検査結果が得られます。
当日検査と精密(1〜2日)の違い(当院目安)と費用
- 当日(最短20分)で分かる採血検査に対応
- 感染歴がある方は精密検査(1〜2日)で確認
当院でできる検査と結果の目安
梅毒検査の料金
・即日検査(TP定性):5,500円(税込)
・精密検査(RPR定量):5,500円(税込)
※ 梅毒の既往歴がない方は即日検査、既往歴がある方は精密検査をご案内しています。
| 項目 | 料金(税込) | 目安 |
|---|---|---|
| 梅毒(即日精密) | 5,500円 | 採血による確認 |
| 梅毒治療 | 18,000円 | 4週間が目安 |

検査結果の見方(早見表)
梅毒は陽性あるいは陰性だけではなく、TPとRPRの組み合わせで意味が変わります。
4パターン早見表(TP×RPR)
| TP | RPR | 代表的な意味(目安) | 次にやること |
|---|---|---|---|
| - | - | 現時点で感染は示されにくい | 心当たりが最近なら再検査を検討 |
| - | + | ごく初期、生物学的偽陽性など | 時期をおいて再検査で確認 |
| + | + | 現在感染している可能性が高い、治療中や治療直後 | 医師判断で治療、RPR推移をフォロー |
| + | - | 過去感染や治療済みでTPが残存、初期でRPR未反応、TP偽陽性など | 既往歴と直近リスクを整理し、必要なら追加検査や再検査 |
※ 同じ見た目の結果でも、既往歴、症状、直近のリスクで解釈が変わります。結果票だけで悩むより、医師に状況を共有してください。
TPだけ陽性、RPRだけ陽性のとき
- TPだけ陽性:過去感染の名残、初期でRPRがまだ、TP側の偽陽性…など
- RPRだけ陽性:偽陽性の可能性や、ごく初期の可能性
いずれも、追加検査や再検査で整理するのが一般的です。
治療後のフォロー(治癒判定はRPR)
治癒判定は主にRPRの下がり方で評価します。TPは治療後も陽性が残ることが多く、治癒判定には向きません。
治療|期間の目安と当院費用
梅毒の治療は抗菌薬で行います。主にペニシリン系またはテトラサイクリン系などを使用します。
治療期間の目安(病期で2〜8週間の幅)
- 初期:2週間程度
- 第1期〜第2期:4週間程度
- 第3期以降:8週間など長期になることがあります
※ 自己判断で中断すると治療が不十分になることがあります。必ず医師の指示に従ってください。
当院費用(目安)
梅毒治療:18,000円(4週間分の目安)
詳しい料金は メニュー・料金 をご確認ください。
※ 医師が病期や状況を評価し、必要に応じて治療内容や期間を調整します。
薬だけ相談したい、すぐ治療したい
症状やリスクによっては、医師判断で検査結果を待たずに治療を行うことがあります。
また、診察で必要と判断されれば検査を行わずに薬のみ処方する場合もあります。まずはご相談ください。
オンライン診療について(重要)
治療の相談や郵送は可能なケースがありますが、採血を伴う検査は来院が必要です。
※ 送料無料、指定住所へ郵送
治癒判定、再検査、性行為再開
治癒判定の基本
治癒判定は、治療後にRPRが十分に低下(または陰性化)しているかで判断します。RPRが十分に下がらない、または再び上昇する場合は、再感染や治療不十分の可能性があり、再評価が必要になります。
再検査(治癒確認)は必要?
はい。治療後は定期的な血液検査で、RPRの推移を確認します。再検査の間隔は、病期や治療前の値などで個別に決まります。
性行為はいつ再開できる?
再開時期は、病期、治療状況、パートナー対応により変わります。自己判断は避け、医師に確認してください(再感染を防ぐためにも重要です)。
妊娠中・妊活中の方へ
梅毒は、妊娠中に感染していると、母体だけでなく赤ちゃんにも影響することがあります。
妊娠中や妊娠希望の方で、不安な接触歴がある、パートナーが陽性だった、過去に症状があったなど心当たりがある場合は、早めに採血で確認することが大切です。
「症状がないから大丈夫」とは言い切れないため、妊娠中や妊活中は特に、検査で確認することが安心につながります。
予防|再感染を防ぐ現実的な対策
コンドームは有効だがゼロではない
コンドームは感染リスクを下げますが、梅毒はコンドームで覆われない部位から感染する可能性もあります。
パートナー同時検査と同時治療が重要(ピンポン感染)
パートナーがいる場合は、同時に検査し、陽性なら同時に治療することが大切です。片方だけ治療すると、再びうつし合うピンポン感染が起こり得ます。
不安が続くなら定期検査で仕組み化
感染リスクが続く環境にある方は、症状がなくても定期的に検査を受けることで安心が得やすくなります。
よくあるご質問
Q1. 梅毒とは、どんな病気ですか?
A. 梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌による性感染症です。性器だけでなく、口やのど、肛門にも感染することがあります。早期に見つけて治療すれば対応しやすい一方で、放置すると病期が進むことがあります。
Q2. 梅毒はどうやってうつりますか?
A. 主に、性行為やオーラルセックス、アナルセックスなどで、病変部と皮膚・粘膜が接触することで感染します。口の中や唇に病変がある場合は、キスでうつる可能性もあります。
Q3. どんな症状が出ますか?
A. 初期には、痛みの少ないしこり、ただれ、リンパ節の腫れなどが出ることがあります。その後、体や手のひら・足の裏の発疹、のどの痛み、脱毛などが出ることもあります。症状は病期によって変わります。
Q4. 症状がなくても梅毒のことはありますか?
A. はい。症状がない無症候梅毒の時期があります。また、症状が自然に目立たなくなっても、感染がなくなったとは言い切れません。不安がある場合は、症状の有無にかかわらず検査をご検討ください。
Q5. 即日検査と精密検査は、どう使い分けていますか?
A. 当院では、梅毒の既往歴がない方には、即日検査(TP定量)を最短20分でご案内しています。一方、梅毒の既往歴がある方は、TP抗体が残りやすいため、精密検査(RPR定量)を約2日でご案内しています。ご自身がどちらに当てはまるか分からない場合は、受診時に確認のうえ、適した方法をご案内します。
Q6. TPとRPRとは何ですか?
A. TPは、梅毒にかかったことがあるか(感染歴)の目安です。RPRは、今の活動性の目安になります。治療後の経過を見るときは、主にRPRの下がり方を確認します。
Q7. 梅毒は治りますか?
A. はい。早期に見つけて、適切な治療を行えば完治が目指せる病気です。一方で、自己判断で放置すると、まれに後期の重い合併症につながることがあります。
Q8. 治療後はもう感染しませんか?
A. 治療で治っても、再感染することはあります。そのため、パートナーの検査や治療、コンドームの使用、必要に応じた再検査が大切です。
Q9. パートナーが梅毒と言われました。症状がなくても検査した方がいいですか?
A. はい。症状がなくても検査をご検討ください。梅毒は無症状のこともあり、片方だけ治療すると再感染につながることがあります。
Q10. 妊娠中や妊活中でも検査した方がいいですか?
A. はい。妊娠中の梅毒は、母体だけでなく赤ちゃんにも影響することがあります。妊娠中や妊娠希望で不安な接触歴がある方、パートナーが陽性だった方は、早めに検査で確認することをおすすめします。
今すぐ検査したい方へ(CTA)
- 予約不要、保険証不要、匿名で受診可能
- 検査結果はWEB(スマホやPC)で確認可能
- 診療時間:平日夜20時まで、土曜や祝日も対応
- 新橋駅徒歩2分(SL広場から徒歩1分)、内幸町駅A1出口から徒歩1分
▶ メニュー・料金
▶ 検査結果の判明期間
▶ 診療時間
▶ アクセス
▶ よくある質問
関連ページ
(最新の知見に基づく最終更新日:2026年8月20日)

