B型肝炎ウイルスワクチン
著者:院長 福地裕三
B型肝炎とは
B型肝炎ウイルスが肝臓に感染して肝機能障害を発症する感染症です。
成人の多くは自己免疫により一過性の感染で治ってしまいます。
ただ一部は持続感染してしまいキャリアという状態になってしまいます。
持続感染してしまうと肝硬変や肝癌を発症してしまうことがあります。
成人における急性B型肝炎の多くは、性感染によるものと考えられています。
母子感染予防対策により、母子感染(垂直感染)はとても減少しました。
B型肝炎はワクチンにより予防できる感染症です。
急性B型肝炎
感染してから1〜6ヶ月の潜伏期間を経て、全身のだるさ、食欲低下、吐き気、濃い烏龍茶のような尿、眼球や皮膚が黄色くなることもあります。
一部は劇症化して、激しい肝炎を起こすこともあるので注意が必要です。
慢性B型肝炎
母子感染や乳幼児期にB型肝炎ウイルスに感染すると持続感染してしまいます。
何年もの間、ウイルスに感染した状態ですが肝炎の発症はなく、症状がない無症候性キャリアという状態が続きます。
思春期を過ぎてくるとウイルスを異物として認識し始めてきます。
そうすると一般に10〜30歳代に一時的な肝炎を発症し、強い炎症を引き起こします。
80〜90%の人はやがて肝炎の症状は治まっていきますが、10〜20%の人は肝炎の症状が慢性化して炎症が続いてしまいます。
そうすると肝硬変や肝癌への移行リスクがでてきます。
B型肝炎ワクチンとは
ワクチンを接種することでB型肝炎ウイルスの感染を防ぐことができます。
ワクチンは半年に渡り3回接種する必要があります。
初めに接種してから1ヶ月後と6ヶ月後の3回接種することで免疫を獲得できます。
接種部位は腕の肩の近くに筋肉注射にて接種を行います。
またB型肝炎ウイルスに既に感染している人はワクチンを接種しても予防効果は得られません。
心配な方はB型肝炎の検査をされると安心です。
他のワクチンと同様に接種部位が赤くなったり腫れたりする副反応が起こることがありますが、数日で改善することがほとんどです。
当院での接種の流れ
現在、ワクチンの在庫があるため予約などは不要です。
ワクチン接種の当日は簡単な問診票の記入をお願いしております。
ワクチン接種後に体調変化を見るため院内待機のご協力をお願いしております。
初回は接種前にB型抗原迅速検査を行います。
20分ほどで結果が判明し、B型肝炎に感染してないことを確認します。
3回目の接種後より1ヶ月以上あけてB型抗体検査を行います。
検査の結果は翌日に判明し、十分な免疫ができているか確認できます。
抗体価が十分でない場合のワクチンの追加接種の場合は費用が発生します。
項目 | 料金 | 回数 |
---|---|---|
B型肝炎ワクチンセット | 11,000円 | 1回分 |
下記の血液検査もワクチン料金に含まれております。
※ 初回にB型抗原検査(5500円)、3回接種後にB型抗体検査(5500円)