B型肝炎訴訟の検査
著者:院長 福地裕三
B型肝炎訴訟で給付金を受け取るためには、指定された検査を受ける必要があります。
B型肝炎ウイルスの抗原検査および抗体検査は、基本的に必ず実施が求められる検査です。
また、必要に応じてB型肝炎ウイルスの遺伝子型(ジェノタイプ)検査を行う場合もあります。
当院では、抗原・抗体検査をCLIA法、ジェノタイプ検査をEIA法にて実施しております。
これらの検査はいずれも、約5〜10mL程度の少量の採血で行うことが可能です。
検査結果は通常、翌日から数日以内に判明します。再検査となった場合でも、おおむね1週間程度で結果が出ます。
B型肝炎(HBV)の検査期間
| 項目 | 料金 |
|---|---|
| HBV 抗原抗体検査 | 1〜2日程度 |
| HBV ジェノタイプ | 3〜7日程度 |
| 診断書の作成費 | 1週間程度 |
※ ご希望の方には、書類を無料で郵送いたします。
B型肝炎(HBV)の検査費用
| 項目 | 料金 |
|---|---|
| HBV 抗原抗体検査 | 5500円〜 |
| HBV ジェノタイプ | 7700円 |
| 診断書の作成費 | 5500円 |
| 合計 | 18700円程度 |
※ 診断書の修正が必要な場合でも、追加費用はかかりません。
B型肝炎訴訟と検査の基礎知識
なぜ「検査」が重要なの?
B型肝炎訴訟では、「B型肝炎ウイルス(HBV)に感染しているまたはしていた事実」や「感染の時期を推定できる情報」が大切です。
そのため、抗原検査や抗体検査(血液中のウイルスや、それに対する免疫の反応を見る検査)に加えて、状況によりHBV-DNA(ウイルス量)やジェノタイプ(遺伝子型)を確認することがあります。
当院では、抗原や抗体はCLIA法、ジェノタイプはEIA法で行い、5〜10mL程度の採血で実施可能です。
結果は通常翌日〜数日で判明し、再検査が必要な場合も約1週間で判明します。
よく出てくる検査項目と意味
HBs抗原(HBsAg):現在の感染の目安。
HBs抗体(HBsAb):ワクチンでつくことも、自然感染の回復でつくことも。
HBc抗体(HBcAb):過去にHBVが体内に入った痕跡。
HBe抗原・HBe抗体:ウイルスの増殖状況の参考。
HBV-DNA(NAT):ウイルス量。現在どのくらい増えているかの指標。
ジェノタイプ(遺伝子型):ウイルスの系統(A〜Hなど)。
ポイント
・ ワクチンで抗体(HBs抗体)が陽性になることがあります。
・ 過去感染の痕跡はHBc抗体で分かることが多いです。
・ 訴訟に必要な検査は個別の事情で異なります。
検査の流れ
受付・問診:現在の健康状態、ワクチン歴、過去の健診結果などを伺います。
採血:5〜10mL程度。絶食は不要です。
結果説明:通常は翌日〜1週間で判明。
書類対応:結果書類の郵送(無料)に対応。診断書の修正も追加費用なしで行います。
受診前にあると良いもの
・ 過去の健診結果(特にHBs抗原・HBs抗体・HBc抗体)
・ 予防接種歴が分かるもの(母子手帳、接種記録)
・ 既往歴や内服薬の情報(お薬手帳など)
大切なご案内
当院は医療機関として、訴訟に必要な検査と医学的所見の作成を行います。
法的判断(給付対象かの最終判断など)は弁護士へのご相談をお願いします。
よくあるご質問
Q1. 絶食は必要ですか?
A. 不要です。B型肝炎の血液検査は食事の影響を受けにくい項目です。普段どおりでご来院ください。
Q2. どの検査を受ければいいか分かりません。
A. 必要な検査の組み合わせについては、弁護士や法律事務所にご相談ください。
Q3. 予防接種(ワクチン)を受けていると結果に影響しますか?
A. 影響することがあります。ワクチンでHBs抗体が陽性になることがあります。HBc抗体は過去感染の指標なので、ワクチンだけでは通常陽性になりません。
Q4. どれくらいで結果が出ますか?
A. 通常は翌日〜数日で判明します。再検査が必要な場合も約1週間でご案内できます。
Q5. 郵送で書類を受け取れますか?
A. はい、可能です。ご希望の方には無料で郵送いたします。遠方の方や来院が難しい方もご相談ください。
Q6. 診断書の書き直し(修正)は有料ですか?
A. 追加費用はかかりません。内容の確認・修正に柔軟に対応します。
Q7. 過去の健診で治っていると言われたのですが、検査は必要?
A. 訴訟では感染既往の根拠が重要になるため、過去の治癒の説明に加え、HBc抗体などの客観的な検査結果の提示が役立つ場合があります。
Q8. 妊娠中でも検査できますか?
A. 妊娠中の方への対応は行っておりません。
Q9. 子ども(未成年)でも受けられますか?
A. 16歳以上の方であれば、ご対応が可能です。
Q10. 今は症状がなくても意味がありますか?
A. あります。B型肝炎は無症状でも過去感染の痕跡(HBc抗体など)が残ることが多く、訴訟の資料として重要です。
Q11. 服薬中(高血圧・糖尿病など)ですが受けられますか?
A. 多くの場合は問題ありません。お薬手帳をご持参ください。特殊な薬剤を使用中の方は事前にご相談ください。
Q12. 他院の結果を持ち込んでもいいですか?
A. 可能です。過去の検査結果は評価の参考になります。不足項目があれば当院で追加検査をご提案します。
Q13. 検査は保険適用ですか?
A. 訴訟目的の書類作成を含む場合は自費となります。費用は受付でご案内します。
Q14. 陽性が今すぐ治療が必要、ということですか?
A. 一概には言えません。総合的に医師が評価し、必要なら専門医へご紹介します。
Q15. 検査結果が偽陽性や偽陰性の可能性はありますか?
A. 稀にあります。判定が難しいときは追加検査や再検査で確認します。
Q16. ジェノタイプは必ず必要?
A. 検査の必要性の判断は弁護士へのご相談をお願いします。
Q17. 個人情報は守られますか?
A. はい。医療機関として厳格に管理します。郵送をご希望の場合も中身が分からない形でお送りします。


