淋病(淋菌)ワクチン予防
著者:院長 福地裕三
当院では、淋病の予防を目的として、髄膜炎菌ワクチン(Bexsero)の接種を行っております。 髄膜炎菌ワクチン(Bexsero)は、もともと髄膜炎菌感染症の予防を目的としたワクチンですが、近年の研究により、一部の性感染症にも予防効果があることが報告されています。中でも淋病に対する予防効果が注目されており、感染の50%弱を防ぐ可能性があるとされています。
淋菌の顕微鏡写真
情報元:CDC
髄膜炎菌ワクチン(Bexsero)とは?
髄膜炎菌ワクチン(Bexsero)は、髄膜炎菌感染症(特にB群髄膜炎菌)に対する予防を目的としたワクチンです。このワクチンは、広範囲にわたる免疫反応を促進することで、性行為によって感染する淋病のリスクを軽減する可能性があるとされています。
期待される効果
研究によれば、髄膜炎菌ワクチン(Bexsero)は、淋菌(淋病)に対する交差免疫を有する可能性が示唆されており、従来の予防手段に加えた新たな選択肢として注目を集めています。淋病は、初期には自覚症状がほとんどないことも多く、気づかないうちに感染が拡大するケースもありますが、髄膜炎菌ワクチン(Bexsero)の接種によって、そのリスクを低減できることが期待されています。
接種をご希望の方へ
髄膜炎菌ワクチン(Bexsero)は、ご予約不要で接種を提供しております。接種をご希望の方は、当院へ直接ご来院のうえ、受付にてお申し出ください。なお、接種前には医師によるカウンセリングを実施し、ワクチンの効果や副作用についてご説明いたします。安心して接種を受けていただけるよう、丁寧にご案内いたします。
費用とスケジュール
ワクチンは1回目の接種から1ヶ月以上空けて2回接種が必要です。
| 項目 | 料金 | 回数 |
|---|---|---|
| 淋病(淋菌)Bexsero輸入ワクチン | 25,000円 | 1回分 |
安全性と副作用
髄膜炎菌ワクチン(Bexsero)は、通常、接種部位(腕)に軽い痛みや腫れが生じる程度の軽微な副反応が見られることが多いです。 まれに発熱や倦怠感(疲労感)が現れることもありますが、ほとんどの場合、数日以内に自然に治まります。
また、当院ではワクチンの仕入れから保管まで、一貫してコールドチェーン体制を確立しており、温度ロガーによる管理のもと、これまで一度も2〜8℃の適正温度帯を逸脱した記録はありません。品質面においても、安心して接種を受けていただけます。
お問い合わせ
当院では、皆様の健康と安全を第一に考え、最新の予防法を積極的に導入しております。髄膜炎菌ワクチン(Bexsero)による淋病予防にご関心のある方は、どうぞお気軽にご相談ください。ご相談の際は、下記のお問い合わせフォームをご活用ください。
よくある質問FAQ
Q1. B群髄膜炎菌ワクチン(Bexsero)は、淋病の予防に本当に効きますか?
A. 100%防ぐワクチンではありませんが、複数の研究で感染する人を平均で約30~47%ほど減らす可能性が示されています。
Q2. どうして髄膜炎菌Bのワクチンが淋病に効くのですか?
A. 髄膜炎菌(N. meningitidis)と淋菌(N. gonorrhoeae)は近い仲間で、ワクチン成分(外膜小胞やタンパク)が共通の標的に反応し、交差防御が起きると考えられています。
Q3. 何回、どれくらいの間隔で接種しますか?
A. 原則2回です。2回目は最短で4週間後に打てます。間隔があいても打ち直しは不要です。
Q4. いつからどれくらい効きますか?効果はどのくらい持続しますか?
A. 2回目の接種から少なくとも2週間で、良いレベルの防御がつくと案内されています。
Q5. 日本では承認されていますか?
A. 4CMenB(Bexsero)は髄膜炎菌B感染症向けでも国内未承認で、メーカー輸入での自費接種になります。
Q6. 海外での導入状況は?
A. 英国では2025年8月から、リスクの高い人を対象に世界初の制度化した淋病ワクチンプログラムとして4CMenBの接種が始まりました。
Q7. 接種してもコンドームや定期検査は必要ですか?
A. はい。予防効果は部分的なので、コンドームの使用や定期検査は引き続き重要です。
Q8. よくある副反応は?
A. 注射部位の痛みや腫れ、発熱、頭痛、だるさなどが1~2日続くことがあります。重い副反応はまれとされています。
Q9. どんな人に向いていますか?
A. 性交相手が多い・最近細菌性STI歴がある・肛門性交があるなど、淋病のリスクが高い人は接種メリットが大きい可能性があります。英国の公的プログラムもこの層を主対象にしています。
Q10. 価格や接種間隔が心配で、2回目が空いてしまったら?
A. 2回目は「4週間以上空ける」が基本ですが、長く空いてもやり直し不要です。次の来院時に2回目を接種すればOKです。
Q11. HIV陽性や免疫抑制中でも接種できますか?
A. 英国の実務指針では、HIV感染者などでも2回接種(最短4週間間隔)を認めています。
Q12. 妊娠中や授乳中は?
A. 妊娠や授乳中の接種はエビデンスが限られ、基本は慎重対応です。当院では妊娠中や授乳中の方への接種は行なっておりません。
豆知識コラム
英国で世界初の制度化
2025年8月、NHS(英国)が淋病対策として4CMenBの接種プログラムを開始。高リスク層で2回(4週以上間隔)の筋注を行い、感染を3~4割ほど減らすことを期待しています。抗菌薬耐性対策としても注目されています。
効果は「ゼロか100か」ではない
観察研究の統合では、4CMenB接種で淋病が33~47%減少という報告も。完全防御ではないため、検査とコンドームは継続が前提です。
仕組みのカギは近縁性
淋菌と髄膜炎菌は近縁の細菌。ワクチンの外膜小胞(OMV)やタンパク抗原が似ており、免疫が勘違いの正義で淋菌にも働く、というのが有力説です。
日本での位置づけ
4CMenB(Bexsero)は国内未承認。適応外での自費接種(メーカー輸入・医療機関管理)が前提です。
接種スケジュールの柔軟性
2回目は4週間以上空ければOK。仮に数か月空いてもやり直し不要で続きからで問題ありません。

