心当たりないのにマイコプラズマ・ウレアプラズマ
著者:院長 福地裕三(日本性感染症学会ガイドライン準拠)
「マイコプラズマ・ウレアプラズマが陽性と言われたけれど、心当たりがない」と驚かれる方は少なくありません。
ただし、実際には心当たりがないように感じても、説明できるケースは珍しくありません。
心当たりがないのに陽性と言われる主な理由
- 無症状のまま以前から保菌していた
- パートナーも無症状で、感染に気づいていなかった
- 行為内容に対して、これまでの検査部位が合っていなかった
マイコプラズマ・ウレアプラズマは、クラミジアや淋菌に比べて症状が軽い、または無症状のことも多く、感染していても長く気づかれないことがあります。
そのため、「今回初めて陽性になった=最近の感染」とは限らず、過去の接触で感染していて、今回の検査で初めて分かった可能性もあります。
当院では、日本性感染症学会のガイドラインに基づき、無症状であっても陽性となった場合には、原則として治療を行います。
これは、症状がなくても菌を保有していることで、パートナーや接触相手に感染させるリスクがあるためです。
治療にあたっては、感染部位(尿道、子宮頸部、のど、直腸)、症状の有無、共感染の有無、前治療歴などを総合的に評価し、最も適切な薬剤と治療期間を選択します。
また、パートナーの同時検査と同時治療および治癒確認(再検査)まで行うことを推奨しています。
マイコプラズマとウレアプラズマとは
マイコプラズマやウレアプラズマは、非常に小さな細菌で、尿道、子宮頸部、のど、直腸などに定着し、尿道炎、膣炎、骨盤内感染症などの原因となります。
これらの菌は、主に性的接触によって感染しますが、その他の経路で伝播する可能性もあります。
例えば、菌を含む体液(唾液など)が粘膜に接触すると感染することがあります。
性交、オーラルセックス、アナルセックスなどの接触で感染が広がることがあり、無症状でも相手にうつす可能性があるのが特徴です。
実際には無症状で経過することが多く、以前から感染していても気づかないケースは少なくありません。
クラミジアや淋菌感染症に比べて自覚症状に乏しく、感染者の半数以上が無症状とされています。
症状がないと検査を受ける機会を得にくく、そのまま見過ごされることもあります。
長い場合では、数年から十数年にわたって感染していたと考えられるケースも報告されています。
ただし、無症状の状態では体への影響は少なく、長期感染が必ずしも性器に悪影響を及ぼすわけではありません。
感染が判明した時点で早めに治療を行えば、多くの場合は問題ありませんのでご安心ください。
とはいえ、無症状のまま感染が進行し、他の合併症や健康上の問題を引き起こすこともあるため、定期的な検査とパートナーとの安全な性行為が重要です。
特に、性的活動が活発な方や新しいパートナーとの性行為がある場合は、定期的な検査を受けることをおすすめします。
心当たりがないのに陽性?よくある理由
「心当たりがないのに陽性」と言われると、まずは驚かれると思いますが、無症状で経過していた、パートナーも無症状だった、部位が合っていなかったなどで説明できることは少なくありません。
当院では、陽性と判定された場合には、症状の有無だけでなく、感染部位(尿道、子宮頸部、のど、直腸)、共感染の有無、前治療歴などをふまえて方針を決めています。
また、パートナーがいる場合は、必要に応じて同時検査・同時対応をご案内しています。片方だけが対応すると、再感染(ピンポン感染)の原因になることがあるためです。
治癒確認(再検査)の時期も含めて、来院時に個別にご説明しております。
性行為以外での感染について
マイコプラズマとウレアプラズマは、主に性器・口・肛門などの粘膜同士の接触(性行為、オーラルセックス、アナルセックスなど)でうつると考えられています。
一方で、食器、タオル、トイレなどの日常生活での感染は一般に考えにくく、過度に心配しなくて大丈夫です。
「心当たりがない」と感じる場合でも、実際には無症状のまま保菌していた、パートナーも無症状だった、以前は調べていなかった部位で今回初めて見つかった、といった理由で説明できることが多いです。
過去の接触で定着していた可能性
症状が出にくいため、感染後も長期間(数年にわたって)気づかずに経過していた可能性があります。
ただし、症状がなくても検査によって検出されます。
部位の差
検査は行為内容に合った部位を選ぶことが重要です。
尿(男性)や膣(女性)が陰性でも、のどや直腸など別の部位で検出されることがあります。
検査の特性
PCR法(遺伝子検査)は非常に感度が高く、わずかな量の菌でも検出可能な精度の高い検査です。
一方、培養法を用いた検査では精度が下がることがあります。
当院では高精度なPCR法を採用しておりますので、安心して検査を受けていただけます。
治療方針
陽性と判定された場合は、無症状であっても原則として治療を行うことを推奨します。
また、パートナーがいる場合は、同時に検査と治療を受けることをおすすめします。
治療薬はガイドラインに準拠し、耐性菌の有無や前治療歴を考慮して選択します。
たとえば、マクロライド系・テトラサイクリン系・ニューキノロン系などの薬剤から、症例に応じて個別に選択します。
治癒確認(再検査)は、治療後2週間を目安に実施し、陰性化の確認および再感染の予防を目的としています。
性行為の再開は、ご本人とパートナー双方の治癒確認が完了するまで控えるのが安全です。
マイコプラズマとウレアプラズマ検査や治療(料金と流れ)
料金(1部位あたり)
- 検査:5,500円(税込)(マイコプラズマとウレアプラズマ それぞれ 1部位)
- 治療:9,000円(税込)(内服 7日間)
検体(選べる採取部位)
- 尿
- 膣ぬぐい
- うがい(咽頭)
- 肛門ぬぐい
結果が出るまで
翌日夜を目安に結果が分かります。
※ 受付時間や検体提出の時間帯、休診日等により前後する場合があります。
検査のタイミング(目安)
- 感染リスク(性行為など)から翌日以降に検査(早すぎる検査は陰性でも後日陽性となることがあります)
- 症状があるときは早めに検査(症状の内容により、適切な検査部位をご案内します)
※ 必要に応じて、再検査(治癒確認や再感染チェック)の時期もご案内します。
パートナー対応と再感染予防
パートナーにも同時検査と同時治療を行うことで、いわゆるピンポン感染(相互感染)による再感染を防ぎます。
再感染予防には、コンドームやデンタルダムの使用に加え、接触があればのどや直腸の部位検査を定期的に行うことが有効です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 心当たりがないのに陽性になることはありますか?
A. はい、あります。マイコプラズマ・ウレアプラズマは、無症状のまま以前から保菌していた、パートナーも無症状で気づいていなかった、今回初めて適切な部位を調べたといった理由で、心当たりがないように感じることがあります。
Q2. 今回の陽性は、最近うつったという意味ですか?
A. そうとは限りません。マイコプラズマ・ウレアプラズマは、症状が軽い、または無症状のこともあるため、過去の接触で感染していて、今回の検査で初めて分かった可能性もあります。
Q3. パートナーに症状がないのに、自分だけ陽性になることはありますか?
A. はい、あります。パートナーが無症状のまま保菌していることもありますし、感染していても症状の出方には個人差があります。そのため、相手に症状がないことだけで感染していないとは言い切れません。
Q4. 尿や膣の検査では陰性だったのに、今回陽性と言われたのはなぜですか?
A. 検査する部位が異なるためです。マイコプラズマ・ウレアプラズマは、尿道や膣だけでなく、のどや直腸に感染していることがあります。これまで調べていなかった部位を今回検査したことで、初めて見つかった可能性があります。
Q5. 日常生活でうつることはありますか?
A. 日常生活での感染は一般に考えにくいです。主には、性器・口・肛門などの粘膜同士の接触によってうつると考えられています。食器、タオル、トイレなどを過度に心配する必要は通常ありません。
Q6. 無症状でも陽性になることはありますか?
A. はい、あります。マイコプラズマ・ウレアプラズマは、症状がほとんど出ないまま経過することもあります。そのため、違和感がなくても検査で陽性になることがあります。
Q7. この結果だけで、浮気や最近の感染を断定できますか?
A. いいえ、断定はできません。無症状のまま以前から感染していた可能性や、今回初めて適切な部位を調べたことで見つかった可能性もあるため、検査結果だけで感染時期や感染相手を特定することはできません。
Q8. パートナーも検査したほうがよいですか?
A. はい、必要に応じて検討します。どちらか一方だけが対応すると、再感染(ピンポン感染)の原因になることがあります。現在の症状の有無にかかわらず、パートナーの検査や同時対応が必要になる場合があります。
Q9. 検査はいつから受けられますか?
A. 目安として、リスクとなる性行為の翌日以降から検査自体は可能です。ただし、早すぎる検査では陰性でも見逃しがありえるため、必要に応じて再検査をご案内します。
Q10. どの部位を調べればよいですか?
A. 行為内容に応じて、尿または膣、のど、直腸など必要な部位を選びます。オーラルセックスがあればのど、アナルセックスがあれば直腸も検査候補になります。
Q11. 陽性でも症状がなければ様子を見てもよいですか?
A. 症状がなくても、対応を考えることがあります。当院では、症状の有無だけでなく、感染部位、パートナーの状況、前治療歴などもふまえて方針をご案内しています。
Q12. 治療してもまた陽性になることはありますか?
A. はい、あります。再感染(ピンポン感染)、別部位の感染、治療後の再評価が必要なケースなどが理由になることがあります。必要に応じて、治癒確認やパートナー対応をご案内します。
(最新の知見に基づく最終更新日:2026年4月11日)

