HIV(エイズ)予防のオンデマンドPrEP
著者:院長 福地裕三(日本性感染症学会ガイドライン準拠)
On Demand PrEP(オンデマンド プレップ)とは?
オンデマンドPrEPは、HIV感染リスクがある性的接触に合わせて、前後に内服することでHIV感染リスクを低減する考え方です。
この方法は、毎日薬を服用する必要がなく、性的活動のタイミングに応じて服用することでHIVの感染リスクを減らすことができます。毎日内服するデイリーPrEPと異なり、性行為のタイミングがある程度予測できる方に向いています。
On Demand PrEPの特徴
On Demand PrEPは、以下のような特徴を持っています:
- 毎日の服用が難しい方や、性的接触の頻度が少ない方に適した方法です。
- 性行為の前に服用を開始し、終了後もしばらく薬を続けることでHIV感染を予防します。
- 海外では「2-1-1」戦略として知られており、服用のタイミングが非常に重要です。
On Demand PrEPの効果
研究によると、正しい服用方法を守れば、On Demand PrEPは高い予防効果を発揮します。
特に、男性同士の性的接触における効果が広く確認されていますが、他の人々に対しても一定の効果が期待されています。
オンデマンドPrEPの飲み方|2-1-1方式
オンデマンドPrEPでは、性行為の予定に合わせて、2-1-1方式で内服します。
| タイミング | 内服量 | 内容 |
|---|---|---|
| 性行為の2〜24時間前 | 2錠 | 性行為の前に初回内服します。 |
| 初回内服から24時間後 | 1錠 | 2回目の内服を行います。 |
| 初回内服から48時間後 | 1錠 | 最後の内服を行います。 |
服用タイミングがずれると、十分な予防効果が得られない可能性があります。 2時間前の内服が難しい場合や、予定が急に決まることが多い方は、デイリーPrEPの方が向いていることがあります。
オンデマンドPrEP(2-1-1スケジュール)タイムライン
2〜24時間前
24時間後
48時間後
- 1回目:性行為の「2〜24時間前」に2錠まとめて内服します。
- 2回目:初回服用から24時間後に1錠内服します。
- 3回目:初回服用から48時間後に1錠内服します。
連日性行為がある場合の飲み方
性行為が1回で終わらず、連日続く場合は、内服方法が変わります。
最初は性行為の2〜24時間前に2錠を内服し、その後、性行為が続く期間は毎日1錠を継続します。
最後の性行為の後も、48時間後まで内服を続ける必要があります。
連日性行為がある場合や、性行為の頻度が高い場合は、デイリーPrEPの方が分かりやすいことがあります。
自己判断で内服方法を変えず、医師にご相談ください。
オンデマンドPrEPが向いている方(目安)
- 性的接触の頻度が少なく、予定をある程度把握できるため必要な時だけ内服したい方
- 性的接触が不定期で、必要な時だけ内服したい方
- 性行為の予定をある程度把握でき、服用タイミングを守れる方
- デイリー内服が負担に感じる方
オンデマンドPrEPが向かない(慎重判断が必要な)ケース
- 性行為の予定が読めず、服用タイミングが守れない可能性が高い方
- 慢性B型肝炎(HBV)の方(オンデマンドの断続内服は適さないため、原則としてオンデマンドは行いません。必要な場合は専門医と相談します)
副作用について
On Demand PrEPは、Daily PrEPと同様に安全な薬ですが、稀に副作用が生じることがあります。
主な副作用としては、軽度の頭痛や胃の不調が挙げられます。
これらは通常、時間とともに改善されますが、気になる症状がある場合は、医師にご相談ください。
オンデマンドPrEPの料金
当院では、オンデマンドPrEPを自費診療でご案内しています。
診察料・処方料はかかりません。薬代をご確認ください。
| 内容 | 費用 |
|---|---|
| オンデマンドPrEP 1回分 | 2,000円(税込) |
| 診察料 | 0円 |
| 処方料 | 0円 |
| 送料 | 無料 |
複数回分の処方をご希望の場合は、診療時にご相談ください。 必要回数、服用方法、検査状況を確認したうえでご案内します。
※ 複数回分をまとめて処方することも可能です。
※ 送料無料、指定住所へ郵送、営業所止め可、薬局受取不可
※ 15時までの診療で即日発送可(15時以降翌日発送)
当院で処方する薬について|デシコビ系ジェネリックを採用しています
当院では、PrEP薬としてデシコビ(TAF/FTC)系ジェネリックを採用しています。
デシコビ系の薬剤は、従来のツルバダ(TDF/FTC)系と比べ、腎機能や骨への影響が小さい傾向が報告されています。
当院では、比較的新しい薬剤であること、腎機能や骨への影響に配慮しやすいことを踏まえ、デシコビ系ジェネリックを採用しています。
PrEPで防げるものと防げないもの
PrEPはHIV予防を目的とした方法です。
梅毒、クラミジア、淋菌など他の性感染症や、妊娠は予防できません。状況に応じてコンドームの併用や定期検査もご検討ください。
定期的な検査とフォローアップ(安全に続けるために)
オンデマンドPrEPでも、デイリーPrEPと同様に定期的な確認が重要です。
当院では、状況に応じて以下の検査をご案内します。
-
- 原則3か月ごと:HIV検査(感染していないことの確認)、必要に応じた性感染症検査
- 6〜12か月ごと目安:腎機能など(年齢や既往、内服状況で調整)
- 開始前や必要に応じて:B型肝炎(HBV)検査 など
- 梅毒、クラミジア、淋菌など他の性感染症検査(必要に応じて)
※ 検査の要否や頻度は、リスクや体調、既往により医師が判断し、事前にご説明します。
直近で心当たりがある場合はPEPをご相談ください
すでにリスクのある行為があった場合、PrEP(曝露前予防)ではなく、PEP(曝露後予防)が適切となることがあります。
目安として72時間以内の受診が重要です。
関連ページ:HIV(エイズ)予防のPEP 、 HIV(エイズ)予防のデイリーPrEP
当院でのPrEP相談
当院では、On Demand PrEPに関する相談を受け付けています。
服用方法や自分に合ったPrEPの選択に不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
よくあるご質問
Q. 連日セックスがある場合、オンデマンド(2-1-1)はどう飲みますか?
A. 2-1-1は、性行為の2〜24時間前に2錠、初回服用の24時間後に1錠、48時間後に1錠が基本です。連日性行為が続く場合は、初回の2錠のあと、性行為が続く間は毎日1錠を継続し、最後の性行為のあとも48時間後まで内服します。
Q. オンデマンドPrEP(2-1-1)が向かない、または慎重判断が必要なケースは?
A. オンデマンドPrEP(2-1-1)は、主に成人MSMで検討される方法です。性行為の予定が読めず、2〜24時間前の初回内服が難しい方、服用手順が複雑で継続が難しい方では、デイリーPrEPが向くことがあります。また、慢性B型肝炎がある方では断続内服は慎重に考える必要があるため、当院では原則としてオンデマンドはおすすめしていません。
Q. 当院のオンデマンドPrEPでは、どの薬を処方していますか?
A. 当院では、オンデマンドPrEPでもデシコビのジェネリックを処方しています。オンデマンドでの臨床データはまだ限定的ですが、一般にデシコビ系はツルバダ系と比べて腎機能や骨への影響が小さい傾向が報告されているため、その点も踏まえてご案内しています。適応や服用方法は、リスク内容や体調を確認したうえで個別に判断します。
(最新の知見に基づく最終更新日:2026年5月25日)

