B群髄膜炎菌ワクチン(Men-B)
著者:院長 福地裕三(日本性感染症学会ガイドライン準拠)
髄膜炎菌感染症とは
髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)は、脳や脊髄を包む膜に感染を引き起こす細菌で、急速に進行し、重篤な症状を呈することがあります。
特にB群(血清群B)は、日本国内でも近年増加傾向にあり、注意が必要です 。
2024年の侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD)は過去最多66例が報告されています。
日本国内でも増加傾向が報告されています
侵襲性髄膜炎菌感染症(髄膜炎や敗血症など)は、発症すると進行が非常に速く、短時間で重症化することがあります。 日本でも近年、届出数が増加しており注意が必要です。
MenB(B群)と、4価ワクチン(A/C/W/Y)の違い
髄膜炎菌には複数の血清群があり、ワクチンも種類によって防げる型が異なります。 留学、寮生活、渡航では4価(MenACWY)の接種証明を求められることも多く、MenBとは別枠です。 要件がある方は、学校や機関からの案内(必要ワクチンの種類)をお持ちください。
- MenB(B群):B群に対する予防(当院はBexsero)
- 4価(MenACWY):A/C/W/Yに対する予防(MenBとは別)
接種が推奨される方
以下の方々には、B群髄膜炎菌ワクチンの接種が推奨されます:
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髄膜炎流行地域(例:アフリカの「髄膜炎ベルト」)への渡航を予定している方
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学生寮や軍隊など、集団生活を送る予定のある方
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HIV感染者、無脾症、補体欠損症など、免疫機能に問題のある方
B群髄膜炎菌ワクチンとは
B群髄膜炎菌ワクチンは、B群髄膜炎菌による感染症を予防するためのワクチンです。
海外では「Bexsero」や「Trumenba」といった製品が使用されていますが、日本国内では未承認のため、当院では輸入代行卸より「Bexsero(ベクセロ)」を直輸入しております。
日本で承認されている髄膜炎菌ワクチンはA/C/W/Yの4価(例メンクアッドフィ)で、BexseroとTrumenbaは欧米で承認されています。
ワクチンの仕入れから保管までコールドチェーン体制を確立しており、温度ロガーでの計測ではこれまで一度も2〜8℃を逸脱しておりませんので、品質的にもご安心いただけます。
接種スケジュールと方法(当院のご案内)
MenBワクチン(Bexsero)は基本2回接種です。渡航や入寮の期限や、体質(高リスク)により、適したスケジュールが変わります。 予約時にいつまでに接種証明が必要かをお知らせください。
基本(多くの方)
- 2回接種:一般的には1〜2か月間隔または6か月間隔など、海外の情報でも複数のスケジュールが用いられています。
- 当院では、出発や入寮が迫る方は1か月以上あけて2回、時間に余裕がある方はより長めの間隔(例6か月)を含めて個別に調整します。
高リスクの方(免疫機能に問題がある等)
- 3回接種(目安:0、1〜2、6か月)を検討します。
- 継続的にリスクが高い方は、医師判断で追加接種(ブースター)をご案内します。
接種は上腕部への筋肉注射で行います。複数ワクチンを同日に接種する場合は、注射部位を分けます。
| 項目 | 料金 | 回数 |
|---|---|---|
| Bexseroワクチン(MenB) | 25,000円 | 1回分 |
ワクチンの効果と持続期間
MenBワクチンは、発症リスクを下げることが期待できます。いっぽうで、接種後は抗体価が徐々に低下するため、 目的(留学や寮生活など)やリスク(免疫低下など)に応じて、追加接種(ブースター)を検討します。
- 留学や入寮など:要件(提出期限や有効期間)に合わせてご案内します
- 高リスク:医師判断で、より短い間隔での追加接種が必要になることがあります
副反応について
接種部位の痛み、発赤、腫れ、発熱、頭痛、だるさなどの副反応が報告されていますが、多くは1〜3日で改善します。 まれにアレルギー反応が起こることがありますので、強いアレルギー歴のある方は必ず事前にお申し出ください。
接種後すぐに受診(または救急受診)を検討する症状
髄膜炎菌感染症は進行が早いことが特徴です。ワクチンの有無にかかわらず、 高熱、意識がぼんやりする、強い頭痛、首の硬さ、紫色の発疹(紫斑)などがある場合は、早めに医療機関へご相談ください。
未承認ワクチン(輸入ワクチン)についての重要事項
当院で扱うB群髄膜炎菌ワクチン(Bexsero)は、海外で使用実績のあるワクチンですが、日本国内では未承認のため、当院では輸入代行卸から入手し、適切に保管のうえ接種しています。
- 国内で承認されている髄膜炎菌ワクチンは、主に4価(A/C/W/Y)で、B群(MenB)を直接カバーする国内承認ワクチンはありません。
- 未承認医薬品等に該当するため、国内承認ワクチンと比べて公的救済制度の取扱いが異なる可能性があります。
- その代わりに、ワクチンの輸入代行業者による副作用被害補償制度により保証されております。
- 効果・副反応は海外の添付文書や研究データ等に基づきます。
B群髄膜炎菌ワクチン(MenB)の豆知識
B群髄膜炎菌は、のどの奥にすみつく細菌で、まれに血液や脳、脊髄の膜まで入り込み、髄膜炎や敗血症を起こすことがあります。
発症すると進行がとても早く、命に関わったり、手足の障害や聴力低下などの後遺症が残ることもあります。
そこで予防として使われるのがMenBワクチンです。
対象は、10代〜若年成人、寮生活、留学、合宿など人が密に集まる環境に入る方、医療やラボ関連で菌に触れる可能性のある方、免疫が下がる病気や治療のある方などが代表例です。
海外留学や国際大会で求められることもあります。
よくある質問にほかのワクチンと同時に打てますか?があります。
同時接種は可能ですが、注射する場所を分けます。
スケジュールが詰まっている受験生や社会人の方はまとめて計画すると負担が減ります。
また、近年の海外研究では、MenBワクチンで淋菌(りんきん)感染のリスクが下がる可能性が示唆されています。
ただし、性感染症(STI)対策の基本はコンドームの使用と定期検査です。
よくある質問
- Q1. MenBワクチンは何を予防しますか?
- A. B群髄膜炎菌(MenB)による侵襲性髄膜炎菌感染症(髄膜炎や敗血症など)の発症リスクを下げる目的で接種します。
- Q2. 4価(MenACWY)も必要ですか?
- A. 留学、寮生活、渡航では、4価(A/C/W/Y)の接種証明が求められることが多く、MenBとは別枠です。要件に合わせてご案内しますので、学校や機関の案内をご持参ください。
- Q3. 何回接種が必要ですか?
- A. 基本は2回です。免疫機能に問題があるなど高リスクの方は、3回接種を検討する場合があります。
- Q4. 接種間隔はどれくらいですか?
- A. 出発・入寮が迫る方は1か月以上あけて2回を基本に、時間に余裕がある方はより長めの間隔(例6か月)も含めて個別に調整します。高リスクの方は(目安)0、1〜2、6か月の3回を検討します。
- Q5. どれくらいで効果が出ますか?
- A. 1回目後2〜3週間ほどで立ち上がり、規定回数を完了するとより確実になります。出発や入寮の予定がある方は、早めの準備をおすすめします。
- Q6. 効果はどれくらい続きますか?追加接種は必要ですか?
- A. 抗体価は数年で低下することがあるため、目的(留学要件など)やリスクに応じてブースター(追加接種)を検討します。高リスクの方は追加接種間隔が短くなる場合があります。
- Q7. 他のワクチン(例:B型肝炎、HPV、インフルなど)と同時に打てますか?
- A. 可能です。注射部位を分けます。必要なワクチンが複数ある場合は、スケジュールを一緒に組みましょう。
- Q8. 妊娠や授乳中は接種できますか?
- A. 当院では、妊娠中や授乳中の方への接種は行っておりません。
- Q9. 風邪気味でも接種できますか?
- A. 軽い鼻水や咳程度なら可能なことが多いですが、発熱や体調不良が強い場合は日程変更をおすすめします。
- Q10. 留学や寮生活で接種証明が必要です。何を持って行けばいいですか?
- A. 学校や機関からの必要ワクチンの種類(MenBか、4価か)と提出期限が分かる書類をご持参ください。英文証明が必要な場合も、受付でご相談ください。
- Q11. 淋病(淋菌)も防げますか?
- A. 海外研究で関連が示唆された報告はありますが、性感染症対策の基本はコンドームの使用と定期検査です。淋病予防目的の詳細は別ページをご参照ください。
※本ページは、公的機関の発表や海外の添付文書やガイダンス等を参考に、適宜更新しています(最終更新日:2025年12月5日)。

